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Writers プロフィール

RIE MAESAKA
出版社勤務後、独立。フリーランスのエディター&ライターとして、モード誌や女性誌のWEBサイトを中心に、ファッションやセレブ、ライフスタイルにまつわるページを手がける。おしゃれ古着プロジェクト「セカンドクローゼット」も発足。愛猫との日々を綴った猫ブログも好評連載中。


S9#14「ファイナル・ランウェイ 後編」

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キンバリー、ジョシュア、ヴィクター、アーニャの4人がいよいよファッション・ウィークで10着のコレクションを発表。ゲスト審査員はファッションデザイナーのローレン・スコット。




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家族や友人、著名人やこれまでの優勝者、そして落ちていった仲間たち、その他大勢の観客が集まる中、まずはキンバリーがコレクションを披露。セクシーな切り込みのあるピンクのドレスやアイボリーのパンツから成るキンバリーのコレクションは、審査員たちだけでなく、コンペ途中で脱落したダニエルやセシリアからも評価される。だが審査員たちはコレクション全体としての質を疑問視する。


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続いてジョシュアは美しい仕立てとドレープの技術を駆使し、新しいアイデアを次々採り入れながらも、事前の審査員たちの忠告通り「余計なものをそぎ落とした」コレクションを披露。カラフルな色遣いと、ネオプレンゴムなどの挑戦的な素材遣いで、第1シーズン優勝者のジェイ・マキャロルやファッションデザイナーのベッツィ・ジョンソンからも好評を得る。だが途中のくすんだ色のジャケットとボーダーのトップスとの組み合わせは審査員に不評。


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3番手のヴィクターは出身地メキシコと愛するニューヨークを融合させたコレクション、そこにロックのテイストを加えたものを披露。プリントの作品は審査員たちも絶賛。その他「マリ・クレール」編集長のジョアンナ・コールズや第7シーズンのデザイナー、ミラもヴィクターの創造性と洗練された雰囲気を高く評価する。だがスケスケの服が多すぎたことは審査員からよくない指摘を受けてしまう。


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最後にアーニャは故郷トリニダード・トバゴの生活やバイブスにインスパイアされたコレクションを披露。プリントの選び方や持ち前のセンスは審査員にも相変わらず好評。また、流れるようなシルエットとカリブ独特の色遣いで女優ジェニファー・ラヴ・ヒューイットらからも好評を得る。だが同じネックラインの服が多いことを審査員から指摘される。


いよいよ優勝者発表の時。難しい決断の中、ハイジはまずキンバリー、そしてヴィクターに「ここまで」と告げる。ジョシュアとアーニャの2人のうち、審査員が選んだのはアーニャ。アーニャにはモデルのスヴェータとともに「プロジェクト・ランウェイ」優勝の栄誉が与えられる。




みなさん、こんにちは!


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ついに優勝者が決定しましたね! アーニャ、おめでとう!! 第一回のテーマでは、たった4カ月の縫製経験で見事なパンツを作り上げ、ベスト3に入った彼女。人一倍チャレンジ精神が強く、創造性も豊か、そして追い込まれた時に発揮するクリエイティビティも目を見張るものがありました。このシーズンで誰よりも成長できたのは彼女ではないでしょうか? 他のデザイナーに刺激を受け、自分の才能を華開かせることができたのでしょうね。


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出身地のトリニダード・トバゴからインスパイアされたアーニャのコレクションは、美しいプリントが優雅に踊る、グラマラスな仕上がりでした。流れるように美しく、着心地もとても良さそう。他のデザイナーに比べ、構造的な服は少なかったものの、カッティングや柄使いがそれを凌駕する魅力を呼んでいましたね。何より、作品がランウェイに登場してきた時の華やかさは、女性なら誰もが心奪われたはず。都会的なリアルクローズも良いけれど、やはりこういうドラマティックなプリントドレスはおしゃれ心を盛り上げます。「ファッションは楽しまなくちゃ!」と思い起こさせるような、ワクワクと心躍るエッセンスが散りばめられていました!


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そして、惜しくも二位だったのがジョシュアのコレクション。デザイン過剰だった今までの作品に比べぐっと洗練されていましたね! 仕立てとドレープの技術にユニークなアイデアをプラスしながら、決してやり過ぎに傾かず、モダンに仕上げていました。ネオプレンゴムやプラスチックなど、難しい素材も巧みに取り入れ、ワンランク上のモードを表現していましたね。前回の審査会で不評だったバックがパンツのドレスも、パツパツだったヒップ部分が修正されててよかったです(笑)。感情的な性格で時には審査員につっかかることもあったジョシュア。しかしアドバイスを素直に受け入れ進歩した姿はとても逞しかったです。持ち前のハングリー精神でこの先もぐんぐん突き進んで行くことでしょう。


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第三位は優勝候補筆頭格だったヴィクター。メキシコとNYの融合、女性が持ってるロックな一面を表現したコレクションは、仕立ての良さが秀逸でした。アイテム数が誰よりも多く、一点一点のクオリティも高かったですよね。オリジナルプリントのドレスやパンツはアーバンでラフなムードが感じられ、黒のモトクロスパンツはシャープなラインがスタイリッシュ。マイケルが言っていた通り、スケスケの服が多過ぎでしたが、全体的にシックで洗練されていました。モードとリアルのさじ加減が絶妙な彼の作品はバイヤーうけも良いでしょうから、今すぐにでもブランドが立ち上げられるのでは。NYの「バーニーズ ニューヨーク」や「サックスフィフスアヴェニュー」あたりに並びそうです。


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そして第四位だったのがキンバリー。正直、彼女がファイナルランウェイまで残るとは予想していなかったのですが、持ち前の仕立ての技術と感度の良さで勝ち残りましたね。最先端のグラマラスなファッションにアーバンな鋭さを取り入れたコレクションは、生地使いが秀逸。特に、扱いが難しいメタリックな生地を、着心地の良さそうなモダンなドレスに仕上げていたのが素晴らしかった。それに肌見せのバランスも良かったですね。フロントはたっぷりとしたフォルムなのにバックは大きなカッティングが入っていたり。一枚で着てもいいですし、インナーに異なる色のアイテムを組み合わせても良いでしょう。コーディネートする楽しみが広がるコレクションでした。


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多くのデザイナーに成長の様子が見られたのが今シーズンの特徴。前シーズンよりも強烈キャラや大きなトラブルは少なかったものの、テーマに挑むデザイナーの姿からは熱い情熱とひたむきさが感じられました。見ている側としても、デザイナーとしての技術の成長はもちろん、人間としての成長も見守ることができたのではないでしょうか。自分自身のルーツと独自の視点を大切にし、この先もブラッシュアップしていけたなら、彼らの未来も明るいはず。ぜひ日本の百貨店やセレクトショップでも並ぶようなデザイナーになって欲しいですね!


第9シーズンは今回で終わりですが、また次のシーズンで素晴らしいデザイナー達に出会えることでしょう。そして次回からは「プロジェクト・ランウェイ オールスター」が始まります! こちらもお楽しみに!

2013.10.20|第9シーズン|コメント(3)トラックバック(0)

S9#13「ファイナル・ランウェイ 前編」

いよいよファイナリスト4人に絞られる。アーニャ、キンバリー、ジョシュア、ヴィクターの4人がファッションウィークに向けて10着のコレクションを制作する。だが最終的にファッションウィークに出場できるのは3人だけだ。予算は9000ドル、準備期間は5週間。ティムがそれぞれの家を訪問し、進捗状況をチェックする。


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まずティムが訪れたのはメリーランド州のキンバリー。彼女は自分が育ったブルックリンをイメージしてコレクションを作る。次はトリニダードのアーニャを訪問。彼女は地元のカリブをイメージしたコレクションを作るつもりだ。だが生地は準備できているのにまだ服のアイデアが湧かないと言う。行き詰まっているアーニャに、ティムは急いで形にするよう進言する。


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次はニューヨークのヴィクター。彼は自分のルーツであるメキシコをモチーフにデザインする。同じくニューヨークにいるジョシュアは、ティムのアドバイスを心待ちにしていた。ティムは彼の作品を見て酷評。ジョシュアは大変なやり直しを余儀なくされる。


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いよいよファッションウィーク。一同はニューヨークに戻り、最後のテーマに挑む。コレクションの中から3着を選んで披露し、4人から3人が選抜されるのだ。審査員はハイジ、マイケル・コース、ニーナ・ガルシア。



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今回は女性陣が不評で、アーニャはいつもの得意分野で勝負せずに慣れないことにトライしたのが裏目に出る。キンバリーはスタイリングに問題あり。


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ヴィクターは、個々のアイテムは素晴らしいが組み合わせがまずく、過剰なファッションになっていると指摘される。いつもやりすぎのジョシュアは、今回は一番シンプルなスタイリングを心がけていた。


4人ともそれぞれいい面もあり悪い面もあった。ついにファッションウィークに進めるデザイナーの名が呼ばれる。ジョシュア、ヴィクター、キンバリーだ。そして最後に残ったアーニャは脱落を宣告されるのかと思いきや、なんと4人全員がファッションウィークに出場できることになる。




みなさん、こんにちは!


今回はコレクションワークの前半戦。ファッションウィーク出場を決める最終選考でした。そして、好例のティムチェック・実家編もありましたね。キンバリーが生まれ育ったブルックリン、アーニャを育んだ美しいカリブ海、ヴィクターのメキシコのルーツ、ジョシュアのNYのファミリーたち……それぞれのデザイナーにいろいろなドラマがあって、デザインに反映しているのがよくわかりました。


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さて、そんな準備期間を経て作り上げた作品たちは、どれも見応えがありましたね。正直、あっ! というほどのものには出合えませんでしたが、それぞれ趣向をこらしたデザインでした。特にヴィクターはオリジナルのプリント生地が素敵! ビーチの写真がアーバンなプリントとなって都会的で洗練されたウェアになっていました。そしてジャケットの仕立ても目を見張るものが。ハイジもお気に入りだった白のレザージャケットはショルダーのディテールが秀逸。シャープなシルエットもボディラインをきれいに見せていましたね。彼のデザインはインパクトとリアルモードのさじ加減が絶妙です。スタイリングは少々難ありでしたが、アイテム自体に魅力があったので足し算引き算をやりなおせば、ランウェイでさらに輝くことでしょう。


ランウェイでコレクションを見せる際に重要なのが、全体の統一感。マイケル・コースが「統一感を持ち、焦点を明確に」とアドバイスしていたように、バラエティに富んだアイテムを展開していても、根底にあるテイストやヴァイブスは同じでなくてはなりません。


私がコレクションを見る際、よく思うのはランウェイはひとつの物語を見ているようだということ。例えば、ファーストルックがあってそのコレクションを象徴するピースが続き、中盤に色味や素材で変化が訪れ、刺激的なピースが散りばめられる…それにハっとしているうちに、ダークな色味で落ち着いた流れに戻り、最後は圧巻のフルレングスがずらり……フィナーレはモデルの総行進で感動の高まりとともに幕を閉じる。起承転結ではないけれど、そんな心の動きを見る者に与えてくれるのが良いショーだと思うのです。ただ素晴らしい衣服を作るだけではなく、それをどう見せて、アピールするかもデザイナーの重要な仕事。今回出場が決まった4人も次回のファッションウィークで素晴らしいショーマンシップを見せてくれることを期待しています。

2013.10.13|第9シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

S9#12「3着に愛を込めて」

いよいよファイナル・ファイブとなったメンバーたち。ニューヨーク・ファッション・ウィークに向けて、これまで以上に熾烈な争いが待っている。和気藹々としていた雰囲気も一変、皆の間に会話は少なくなり、緊張が重くのしかかる。


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今回はマンハッタン島を離れて、フェリーで数分のガバナーズ・アイランドへ。もともと軍事施設だった島は今では彫刻美術館とマーク・ディ・スヴェロの彫刻などが並ぶ公園になっており、デザイナーたちは彫刻作品や景色にインスパイアされた、異なる種類の服で構成された3着を作ることになる。


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5人の元にはコンペで敗れていった懐かしい5人の顔ぶれが現れ、それぞれアシスタントとして協力してくれることに。ベッキーをアシスタントに選んだキンバリーは得意のパンツをボツにし、リスクを冒してこれまで作らなかったコートなどで構成されるコレクションに挑戦。オリヴィエを選んだヴィクターはマンハッタンの景色にインスパイアされたコレクションに挑戦する。ずっと仲のよかったアンソニーを選んだローラは丸い形の彫刻に影響を受け、それをコレクションに採り入れる。バートとブライスで悩んだアーニャは、バートを選択。黒・アイボリー・赤と3色から成るコレクションを作ることに。残ったブライスと組んだジョシュアは、ネッティングのあるドレスやスタッズのついたタンクトップで独自のコレクション作成を目指す。


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一番乗りで合格したのはいつも通り審査員の評価も高く、ほかのデザイナーからも「ファッション・ウィークに行くのが妥当だ」と評されたアーニャ。


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次の合格者はアイデアにはやや乏しく控えめなコレクションながらも、いつもどおりの仕立てのよさを評価されたヴィクター。


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3番手はまだアイデアを詰め込みすぎだと評されたものの、それでも抑えめにしようと努力したことが認められたジョシュア。


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残ったローラとキンバリーのうち、合格したのはこれまでのパンツ作りの実力などが評価されたキンバリー。


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ローラも昔からの夢にかける情熱が評価されたが、残念ながらここまでとなる。


勝ち残った4人が次回ファッション・ウィークのためのコレクションを作成し、そのうち3人が実際にファッション・ウィークへ進むこととなる。




みなさん、こんにちは!


今回でついにファイナル・フォーが決定しましたね! アーニャ、ヴィクターは「やはり!」といった感じ。ジョシュアは賛否両論分かれそうなものの、見事勝ち残りました。そしてダークホースだったのがキンバリー! いつもクールで感情を現さない彼女ですが、作る洋服はグラマラスでモダン。優勝回数は少なかったものの、パンツの仕立ては一級品でした。この4人のうち誰がファッションウィークに出場できて、優勝を手にするのでしょうか。クライマックスまで目が離せません!


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さて、そんなファイナル・フォーを決めた最終テーマは、ガバナーズ・アイランドの彫刻作品や景色にインスパイアされた、異なる種類の服で構成された3着。彫刻にインスパイアされた人、景色に刺激を受けた人、皆さまざまな点に着目していましたね。


現代のコンテンポラリー彫刻を牽引するマーク・ディ・スヴェロの作品や、マンハッタンにほど近いガバナーズアイランドは、ある意味、モダンでアーバンな街、NYの象徴です。このテーマでは、NYに息づくアートや街の様子をどうファッションで表現するかが裏テーマでもあったのでしょう。「プロジェクト・ランウェイ」らしい最終テーマですよね。


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洗練されていてスタイリッシュであることはもちろん、異なる3種類のアイテムでどう構成するかもポイント。3着からなるミニコレクションは、ファッションウィークの前哨戦にもなる訳です。そんななか、やはりアーニャはポイントをうまく掴んでいましたね。黒・赤・アイボリーのアイテムは、ミニマルな美しさがたっぷり。すべてのアイテムが直線的なのに動くと表情豊かで、まさにNYモダンをイメージさせるルックです。彫刻作品にインスパイアされながらも、そのままを取り入れるのではなく、「見る角度によって異なる姿を見せる」という点に着目したのも素晴らしい。こんなに幸先がいいとまたジョシュアが嫉妬してしまいますよ~。


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そしてヴィクターもコレクションに一貫性があってよかったと思います。ランウェイに出すにはやや華がないですが、実生活でリアルに着たいアイテムばかりでした。彼は仕立ての良さは去ることながら、女性がワードローブに加えたいアイテムをよく知っているんですね。どのアイテムも違うコーデで使えそう! バイヤー受けするのもわかります。あとはどうパンチを加えるかが勝負の要。はっと目に留まるような新鮮みのあるアイテムが幾つか加われば優勝に手が届くことでしょう。


それでは、今回は勝ち残った4人のルックから極私的お気に入りルックをご紹介します。



☆ 極私的お気に入りルック


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◆ ヴィクターの作品

ヴィクターといえば仕立てのいいジャケット! 今回のこのレザージャケットも素晴らしい出来でした。フロントのゆるやかなラインがハードなレザーに女性らしいニュアンスをプラス。グレーと黒のバイカラーにしたのもメリハリが効いて良かったですね。インナーに合わせた変形チェックのトップスや黒のスリムパンツもシックな雰囲気。ジャケットを美しく引き立てています。秋めいてきた今この時期に、まさに着たいルックですね。

2013.10. 6|第9シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

S9#11「羽ばたけ!1対1バトル」

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今回は「鳥」からインスピレーションを得たハイファッションを作るというテーマ。鳥をテーマにしたロレアルのコスメとのタイアップで、優勝者のデザインはロレアルの広告としてマリ・クレールに掲載される。また賞金2万ドルも支給される。


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コンペにあたり、挑戦者たちはペアを組まされる。またチーム戦かと思いきや、今回はペアの相手と1対1での勝負だと発表される。アーニャ対ローラは「カラス」をテーマにデザイン。ジョシュア対バートは「インコ」、キンバリー対ヴィクターは「オウム」をテーマにデザインすることになる。
作業期間は2日。皆が作業を始めたところでティムが現れ、「もう1着追加すること」と発表する。デザイナー達は騒然となるが、追加で生地を買い、製作を続ける。2日目にはロレアルのコリエー・ストロングがメイクの打ち合わせに訪れる。


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審査会当日。ティムからまた爆弾発言がある。作った2着のうち、ランウェイに出すのは1着のみだと言う。デザイナー達はどちらの服を出すか選び、その1着の仕上げに全力を注ぐ。ゲスト審査員はカルバン・クラインのクリエイティブ・ディレクター、フランシスコ・コスタ。


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アーニャ対ローラの対決は、2人とも今までより一歩踏み出した作品を作ってきたが、「鳥」を文字通りに表現しすぎたローラが負ける。





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バート対ジョシュアは、いつもと違ってやりすぎない服を作ったジョシュアに軍配が上がる。






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キンバリー対ヴィクターは、途中でドレスに穴が空き短時間での作り直しを強いられたにもかかわらず美しいドレスを作り上げたキンバリーが勝利。


最終的にはアーニャが優勝、バートが脱落となる。アーニャはロレアルの広告撮影に参加する。




みなさん、こんにちは!


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今回でバートが去っていきましたね…。最初の頃はメンバーと仲良くなれず、チーム戦でいがみ合うことが多かったバート。でも最近はジョークが言えるまで打ち解け、良いムードメーカーになりつつありました。抜群の縫製能力と洗練された感覚は第一回目から注目を集め、上位に残ることもたびたび。しかし、シンプル過ぎるデザインやこだわり過ぎたがゆえの奇妙なディテールなど、低評価を得るあやうさもありましたよね。今回は、最後に残ったローラと天秤にかけられ、バートが落ちる結果に。多分、審査員たちはローラに伸びしろを感じたのでしょう。技術やスタイルが完成しきっているバートよりも、フレッシュな感覚で挑戦し続けるローラを伸ばしたかったのかもしれません。良い作品をつくってきただけに、バートがいなくなるのは正直、寂しい気がします。


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さて、今回は「鳥」からインスピレーションを得たハイファッションがテーマでした。しかも1対1の勝負、さらに2着目の追加というサプライズ付き。優勝者には賞金2万ドルが支給されるので、皆、気合いの入り方が違いましたよね。


「鳥」はファッションに取り入れられることが多いモチーフ。デザインとしてはもちろん、フェザーやオーストリッチなど、素材として用いられることも多いですよね。その分、インスピレーションがわきやすいテーマではありますが、直球の鳥デザインでは鳥の仮装をしているようなもの。羽根や色、形、動きなど、鳥のあらゆる点に着目し、想像を膨らませ、ファッションの枠組みに落とし込まなければいけません。審査員たちも今回のテーマで、そんな表現力の独自性を見たかったのでしょう。


私が今回、高評価を得たデザイナーたちで素晴らしいと思ったのは、生地の使い方。鳥の曲線美や優雅な動きを、流れるようなドレープや構築的なフォルムで表現していました。装飾で飾り立てるのではなく、あえて布地で勝負してきた点がデザイナーの心意気を感じさせます。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したアーニャの作品の注目ポイント


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前回に引き続き今回もアーニャが優勝! 優勝候補として存在感を示してきましたね~。カラスをテーマにデザインしたドレスは、立体的なフォルムがモード感たっぷり。無数のタックとカッティングでラインの陰影をきれいに出していましたよね。生地のチョイスもナイス。ストレッチの効いた素材が、アーバンなムードを感じさせます。どこかフューチャリスティックな気分も感じられて、ファッション好きの方ならリアルに着たくなる服ではないでしょうか。



☆ 極私的お気に入りルック


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◆ ジョシュアの作品

2万ドルに人一倍食いついていたジョシュア。作品からは「何が何でも手に入れる!」という気合いが感じられます。装飾過多になりがちな自分を抑えて作り上げたドレスは、流れるドレープが秀逸。サイドにあしらったチェーンも効いていましたよね。花の装飾さえなければ、シンプルな美しさが際立ってよかったのに! リゾートなどで着てみたいです。しかし、ジョシュアはアーニャに対して敵対心バチバチでしたね。次回まで引きずらなければ良いのですが…。

2013.9.29|第9シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

S9#10「洗練された70年代」

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オリヴィエが脱落して7人になった生き残りメンバーたち。今回のテーマは70年代。70年代を感じさせる服でありながら、モダンなテイストを加えることが求められる。さらに優勝デザインは製品化され、パイパーライム・ドットコムで独占販売されることに。

意気揚々とデザイン画を描き「ムード」へ生地を選びに行った一同だが、アーニャはあろうことか予算として渡された100ドルをなくしてしまう。アンソニーからお釣りの11ドル50セントをもらい、生地を1つとボタン等をいくつか買うが、絶望的な状況に。


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だが今回はさらに50ドルの予算を追加し、もう1着ワンピースを作ることに。アーニャはこの2着目と、なけなしの生地とワークルームにあるモスリンとで何とか勝負する。




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審査会当日、不評だったのはまたしてもやりすぎたジョシュア、柄の重ね方が気に入られなかったローラ、「テントのような」シルエットに乏しいドレスを作り上げたアンソニーの三人。


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一方、好評だったのは、「何を作らせても見事」と評されたヴィクター、70年代に青春を過ごしたバート、そして何とお金をなくしたにもかかわらず生地を染めたり、得意のジャンプスーツで勝負したりと挽回したアーニャの三人。


結局脱落したのは、「テントのような」ドレスを作り上げたアンソニー。優勝したのは、どん底に落ちながらも機転を利かせて切り抜け審査員全員に気に入られたアーニャだった。アーニャのデザインはパイパーライム・ドットコムで販売されることになったが、バートのドレスも気に入られ、特別に販売されることになった。




みなさん、こんにちは!


今回は70年代がテーマ。レトロでもヴィンテージでもない、洗練された70年代を提案しなくてはいけませんでした。既製服が増産され、ファッションが多様化していった70年代は、多彩なファッションが生まれた年代でもあります。ヒッピーやボヘミアン、フォークロア、ワークウェア、サファリルック、パンクスタイルなどなど、まさにテイストの宝庫。このときに生まれたファッションは何度もリバイバルされ、トレンドとして現代まで受け継がれてきました。


今回はそんな70年代に着想し、モダンに進化させることが勝敗のポイント。サイケデリックな色柄や幾何学模様、ベルボトムやパンツスーツなど、70年代はディテールやアイテムに主張がある分、どう洗練させていくかがカギでしたね。


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アーニャは、今回まさかの予算紛失という災難に見舞われましたが、11ドルで作った作品で優勝するという快挙を成し遂げました。これは本当にすごい! なけなしの11ドルのパンツの高いクオリティはもちろんのこと、ワークルームのモスリンを染上げたトップスも、プリーツのディテールが美しかった。マイケル・コースからは「貼付けられたチューインガムみたいな色」と言われていましたが、私はフェミニンで素敵だと思いました。臨機応変に対応できる能力はデザイナーにとって必要不可欠。追いつめられた時に本領を発揮できる、そんな才能がアーニャにはあるのでしょう。


それでは、今回の優勝者、アーニャのもうひとつの作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したアーニャの作品の注目ポイント


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追加で出た50ドルの予算でジャンプスーツを作り上げたアーニャ。幾何学模様とぼかし染めを融合させた大胆な柄を使いながら、すっきりとシャープに仕上げたのが良かったですね。胸元の深いカッティングやハイウエスト気味の切替など、メリハリの効いたディテールも良いバランス。バックにシースルーの生地を配したのも、モダンなアクセントとなっていました。この服、実際に彼女が着ていそうですよね。デザイナーは、総じて自分自身のファッションがデザインに反映されるもの。この作品が評価されるのは、彼女の個性が評価されるも同じなのでしょう。だてに刈り上げが似合ってる訳じゃありませんね(笑)。



☆ 極私的お気に入りルック


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◆ キンバリーの作品

審査会で早々に合格を得ていたキンバリーの作品。特に、ランウェイに登場した時のこのルックが可愛かったです~。トップスのアシンメトリーなラインがふわりと揺れて、可憐な雰囲気。お腹がちらりと見える丈もキュートでしたね。ボトムスはタイトスカートでシャープに。このトップスとボトムス、別々に使ってもスタイリングしやすそうです。ポシェットとパンプスの差し色もアクセントに。おしゃれな女の子がワードローブの中身を自由に組み合わせてきたような、そんなリアルさも好印象でした。

2013.9.22|第9シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

S9#9「表紙を飾るロックンロール」

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今回のテーマは、メジャー契約前の4人組ロックバンド「ザ・シープドッグス」のイメージを作ること。4人1組2チームに分かれて作業する。デザイナー1人がメンバー1人を担当し、バンド全員の衣装を作る。優勝したデザインはガルニエの広告としてマリ・クレールとローリングストーン誌に掲載される。また、ローリングストーン主催のライヴイベントで実際に着用される。


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デザイナー達はそれぞれクライアントと相談し、イメージを固める。作業は2日間。メンズウェアということで、メンズ服を今まで作ったことのないアーニャとキンバリーは悪戦苦闘。メンズのデザイナーであるオリヴィエは自分に有利だと意気込むが、クライアントがマネキンよりもかなり大柄なため、作業に苦労する。


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審査会当日。ゲスト審査員はミュージシャンのアダム・ランバート。1チーム目はアンソニー、アーニャ、ローラ、バート。もう1チームはオリヴィエ、ヴィクター、キンバリー、ジョシュア。「ザ・シープドッグス」のメンバーが各チームの作品を着て曲を演奏するという、初のライヴ形式ランウェイとなる。


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好評だったのは、ロックミュージシャンらしいセクシーな服を作ったジョシュア、素晴らしいジーンズと革ジャケットを作り上げたヴィクター、レトロながら新しいスタイルを作り上げたバート。


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不評だったのは案の定メンズウェア経験のないアーニャとキンバリー。そして退屈なスタイルになった上に 服を仕上げきれなかったオリヴィエ。


ワーストはオリヴィエとキンバリーに絞られ、結局オリヴィエが脱落。優勝はヴィクター。彼はバンドメンバーと共にガルニエの広告の撮影に参加する。




みなさん、こんにちは!


がーーん! 今回はまさかのオリヴァー敗退。今までいい作品を作ってきただけに残念でした…。だけど、彼は作業に没頭すると周りが見えなくなるみたいですね。時間配分や段取りが悪く、ティムからも何度も注意されていました。それがネックになったのでしょう。せっかく得意なメンズウェアだったのに、力を発揮できなかったのは本人も無念でしょうね。


さて、今回はロックバンド「ザ・シープドッグス」のイメージウェアを作ること。バンドメンバーの服を作るのはプロジェクトランウェイ史上、初めての試みじゃないでしょうか?


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クラシックロックをモダンに取り入れた「ザ・シープドッグス」の曲のように、デザイナーたちの作品もレトロなテイストが随所に見受けられました。60~70年代テイスト、ヒッピー、ウエスタン、ボヘミアンなどなど、ディテールが満載。
さらに、メンズウェアという点もデザイナーたちのクリエーションの幅を広げたよう。レディースと違って、服に自由度が少ないのがメンズウェア。いろいろとルールがある分、素材や柄、形といった細かなディテールにこだわる面白みがあります。今回は、バンドメンバーそれぞれの個性にマッチするディテールが勝敗のポイント。フリンジや花柄、タイダイ染めなどが多く見られましたが、存在感があるだけに、古めかしくなっても、衣装っぽくなり過ぎてもいけません。現代の感覚でモダンに着こなせて、なおかつメンバーの個性が活きなければ、ロックバンドのイメージをつくれないのではないでしょうか。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したヴィクターの作品の注目ポイント


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最近好調続きのヴィクター。今回はついに優勝を果たしましたね! もともとアウター制作に定評があった彼。今回は製作期間2日間とは思えない、ハイクオリティなレザージャケットをつくりました。たっぷりと配したフリンジはショルダーの編み込みが秀逸。この部分があったから、手の込んだ高級感を感じさせたのでしょう。これに加え、デニム、シャツ、ベルトも作るなんて! なんて仕事が早いの! シャツの仕立ての良さ、デニムのフィット感、ダメージ具合など、ディテールにもこだわっていて、彼の能力の高さを改めて実感しました。



☆ 極私的お気に入りルック


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◆ ジョシュアの作品

こちらも好調続きのジョシュア。いつもディテールを盛り込み過ぎることが難点でしたが、今回はそれが良い効果をもたらしたようですね。フリンジベストやトップスは、ヒッピー風でありながらポップな雰囲気。色使いやパネル風のディテールがそうさせているのでしょう。そして、クラッチ部分にジッパーを配したパンツは、一見釘付けになるものの、モダンなアクセントに。ロックバンドらしいエッジとセクシーなニュアンスが感じられます!

2013.9.15|第9シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

S9#8「彼女のお気に召すまま」

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ベッキーが脱落して9人になった生き残りメンバーたち。今回のテーマは男性クライアントの妻/ガールフレンドのために服を作ること。





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メンズウェアがテーマではなく一安心したデザイナー一同だが、男性陣から妻やガールフレンドのスタイルや好みを具体的に説明してもらうことが難しく、デザイン画を描く段階で悪戦苦闘。実際にモデルとなる女性陣が現れてからは、女性陣に圧倒されるメンバーも出る。スザンヌにあれこれ意見を言われオリヴィエはたじたじ。ブライスもジャニーンの趣味を反映してドレスをイチから作り直すことに。


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審査会当日、不評だったのは「またしてもシンプルすぎる」と評されたバート、クライアントのため、なくしたドレスに近い物を作り上げたが「古くさく、老婦人が着る服のようだ」と評されたアンソニー、そしてクライアントの希望通りピンクの服を作ったが色遣いにずっと自信を持てなかったブライスの三人。


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好評だったのは、日本とアフリカの文化をミックスして片方だけ袖のある着物風ドレスを作り上げたアーニャ、自分のエゴを捨ててクライアントの希望通りシンプルなドレスに仕上げながらも、冒険心は忘れなかったジョシュア、クライアントが家から着てきたかと思うほどクライアントの趣味にぴったりマッチしたセパレートを作ったヴィクターの三人。


結局脱落したのは、クライアントの希望したピンク色は悪くなかったものの、イチから作り直したためかフィッティングが甘く、大きなポケットも微妙だったブライス。優勝したのは、ジョシュアだった。




みなさん、こんにちは!


今回のテーマは、男性クライアントの妻やガールフレンドのために服を作ること。男性って、奥さんや彼女の好みをあまりわかっていないイメージですが、今回のクライアント陣は皆、女性が気に入る服をオーダーできたようでしたね。愛する人のことを思って(自分の好みも少々入れながら)あれこれ発注するシーンは、なんだか微笑ましい雰囲気。いつもは緊張感みなぎる審査会も、笑顔が溢れるひとときでした。


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「なんかラブラブで素敵だわ~」と思いながら見ていましたが、評価の低いデザイナーの審査ではちょっぴり嫌な雰囲気に。審査員のあまりの毒舌ぶりに、標的にされたカップルが気の毒になってしまいました。ただ、そもそもオーダーメイドは、クライアントの要望や個性を活かしながら、自分のデザインセンスやテクニックをいかに取り入れるのかが重要。自分のテイストと異なるオーダーも、時には少々逸脱して、服としてのクオリティやセンスを優先することも必要です。最終的にそれをクライアントが気に入れば、大成功な訳なのですから。


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しかし、“似合わない”服を作るのは論外。今回、脱落したブライスの作品は、女性が希望したピンク色とはいえ、彼女にはポップ過ぎましたね。背中のラインや大きなポケットなど、ディテールに凝り過ぎたことが仇となり、彼女がもつピュアな美しさを奪ってしまいました。もっと柔かな素材で、すっきりとしたラインに仕上げれば、彼女のふんわりとした可愛さを際立てたと思います。


そんななか、今回大成功を収めたのがジョシュア。前回は彼のヒステリックさが問題となっていましたが、今回はややトーンダウンして、服作りに徹したよう。飾り立ててしまいがちな自分のエゴをかなり抑えて、シンプルで美しいリトルブラックドレスを生み出していましたね。私も同じドレスが欲しくなりました~。愛する人が気に入るドレスに仕上がって、クライアントもさぞ嬉しかったことでしょう!


それでは、そんな優勝者の作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したジョシュアの作品の注目ポイント


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「ジョシュア、グッジョブ!」そう声をかけたくなるほど、今回は目を見張る出来だった彼。特に立体感のあるヘムラインに目を奪われました。ランウェイを歩くたびに揺れて、軽やかな雰囲気に。重たい雰囲気になりがちな黒のドレスですが、こういったディテールは着る人も楽しい気持ちにさせてくれるでしょうね。レースをあしらったネックラインも上品。背中がぱっくり開いていても、フロントが上品などで嫌らしい印象になりません。



☆ 極私的お気に入りルック


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◆ ヴィクターの作品

最近めきめきと存在感を表しているヴィクター。今回は、クライアントの要望をうまく取り入れながら、彼女の雰囲気にぴったりのウェアを作りました。ティムからも「まるで今日着てきたみたい」と言われたくらい、彼女の個性をよく掴んだデザインでしたよね。色の取り合わせも秀逸。グリーンがかったブルーのシャツにイエロー×グレージュのスカートが、レトロシックなムードを感じさせます。モダンな印象の彼女が着るからこそ映える組み合わせでしょう。ヴィクターの作品に今後も期待大ですね。

2013.9. 8|第9シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

S9#7「ドラマティック・コレクション」

今回は団体戦。それも5人ずつ2チームに分かれての対抗戦だ。チームリーダーはなし。全員で協力し決定していかなければならない。順番にメンバーを選んでいくが、またしてもバートが最後まで選ばれず「最後の1人」になってしまう。ジョシュアとバートとベッキーが同じチームになり、作業前からトラブルの予感。一方、以前バートと対立したアンソニーは、今回は違うチームになってほっとする。


今回のテーマはHPのPCを使って生地のプリントをデザインし、各チーム5着のコレクションを作り、ファッションショーをプロデュースすること。ショーの背景で流す映像や音楽までも用意するのだ。


プロセスの説明のためにデザイナーのベッツィ・ジョンソンが登場。彼女は考え方のヒントをくれると共に、チームで協力することの重要さを説く。


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両チームとも早速プリントのデザインを始めるが、初っぱなからジョシュアとバートが対立。一気に雰囲気が悪くなる。だが1日目の終了時にジョシュアがバートに謝罪して和解する。2日目、プリントが出来上がって服作りが始まる。一方のチームは白黒のグラフィックな模様がベース。もう一方のチームは時計がモチーフ。ティムはチームとしての統一感の重要さを指摘する。


2

審査会当日。ゲスト審査員はデザイナーのレイチェル・ロイと女優のローズ・バーン。両チームのコレクションが披露される。勝ったチームから1名が優勝、負けたチームから1名が脱落となる。勝利したのはアンソニー、オリヴァー、アーニャ、ブライス、ヴィクターのチーム。どの服も好評だったが、優勝はアーニャとなる。


3

負けたのはジョシュア、バート、ベッキー、ローラ、キンバリーのチーム。誰が脱落すべきかと問われたメンバーが挙げた名前は 態度に問題があったジョシュアやバート、物足りない服を作ったベッキー。結局、ベッキーが脱落者となる。




みなさん、こんにちは!


今回もまさかのチーム戦。今シーズンはチーム戦が多いですね~。前シーズンに比べて、ドライな人が多いから、結束力や協調性を刺激する意味でもチーム戦を多く取り入れたのでしょうか。


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しかし、バートとジョシュアの諍いは見ていて本当に疲れます。特に今回は、ジョシュアのヒステリックな態度……二年前にお母さんの最期に立ち会えなかった悲しみを今も引きずっているのでしょうが、過敏になり過ぎて本人もしんどいはず。とはいえ、あとでみんなの前でバートに謝ったのは何だかあざとさが感じられて…。彼の言動にはどうも不信感を抱いてしまいます。


さて、今回のテーマはオリジナルのプリント生地で5着のコレクションをつくり、ショーをプロデュースすること。前シーズンでも好評だった自作プリントのテーマがパワーアップして登場しました。しかもチームで制作するなんて、まさにコレクションワークさながらの作業。実際のランウェイでもスタイリストから映像、音楽クリエーター、演出家、プロデューサー、ヘア&メイクなどなど、実に多くの人々が関わっています。そのなかでどう自己主張しつつ、デザイナーの指示を受け入れ、より良いものに仕上げていくかが肝心。全員が同じ方向で、同じゴールを目指しているからこそ、成し遂げられることなのでしょう。


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審査会でのランウェイでも、やはり、団結力と方向性が良かったアンソニー、オリヴィエ、アーニャ、ブライス、ヴィクターのチームが圧倒的に評価されていましたよね。前チームの後に発表されたので、余計良さが際立っていました。ロールシャッハテストのようなプリントもモダンな仕上がり。モノトーンの洗練された装いは、アーバンな女性にぴったりです。


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かたや、同じくモノトーンのプリント生地ながら、時計をモチーフにしたジョシュア、バート、ベッキー、ローラ、キンバリーのチーム。チームワークもバラバラ、方向性も半端な感じで、すべてが曖昧な印象でした。グラフィティや歯車、数字ベースのプリント生地はただただ奇妙。ビビッドな色を加えてポップさを出すも、全体的にまとまりに欠ける仕上がりでしたね。根本的にデザイナー個人の特性がバラバラ過ぎるため、互いにぶつかり、協調性も欠いたのでしょう。もう少しテイストが近しかったら、話は違っていたはず。しかし、バート、ジョシュア、ベッキーと、反目し合う者同士がチームになった時点で軍配は決まっていたのかもしれません……。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したアーニャの作品の注目ポイント


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今まで高評価ばかり得ていたアーニャが念願の優勝! モノトーンのミニドレスは、都会的で洗練された雰囲気でした。特に生地の柄使いが上手。真ん中で線対称に仕上げたことで、グラフィカルなプリントの魅力を高めていました。また、フロントとサイドで二種類プリントを使っていたのも印象的。デイリーにも使えるし、パンプスに履き替えればパーティウェアにもなりそう! アーニャのモダンな感覚が存分に活かされた作品です。



☆ 極私的お気に入りルック


8

◆ オリヴァーの作品

ヴィクターのロングドレスか迷ったのですが……やはりオリヴァーのジャケットでしょう! 立体的なパターンを複雑に組み合わせ、見事なジャケットを作っていましたよね。正直、彼が優勝すると思っていたくらい。。グレーよりも柔らかな印象のグレージュを用いたことで、マニッシュなジャケットが女性らしい一着に。レザーの襟も程よいパンチを加え、モード感ある装いを印象づけています。何より、タックをたくさん配したラインが秀逸。ニーナが「今すぐ欲しい」と言っていた気持ちわかります。私も「今すぐ欲しい!!」。

2013.9. 1|第9シーズン|コメント(3)トラックバック(0)

S9#6「アートをファッションに!」

1

ダニエルが脱落して11人になった生き残りメンバーたち。今回のテーマは、美術学校の生徒と共同作業で絵を描き、それにインスパイアされたアバンギャルドな服を作ること。




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アンソニーのように子供と楽しく共同作業する者もいれば、ヴィクターのように、個性の強い子供にちょっとたじろいでしまう者も。アンソニーはペアを組んだ生徒と2人で自画像を描く。ブラッシュストロークの手法で描かれた絵をヒントに、彼はその画法を自分のデザインにも採り入れる。ジョシュアは根っこは生きているが地面から上は死んでしまった木の絵を基に、ネオプレンゴムを使ったドレスを作成。



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ローラはバラの花の絵を基に、コルセットに茎のモチーフを採り入れた服を作る。ハードなコルセットの上には柔らかい印象のシアードレスを重ねることに。バートは幾何学模様が並ぶ絵を基に、様々な立体をドレスにくっつけ、アバンギャルドなものを作り上げようと奮闘。


4

オリヴィエは青や明るい色を使ったカラフルな抽象画を基に、構造的なドレスの完成を目指す。前回カムバックしたばかりのジョシュは気合十分で望み、写実的な雰囲気の狼の絵に忠実にドレスを作り上げようとする。


生徒たちも交えた審査会当日。ゲスト審査員はニーナ・ガルシアの代理であり「マリ・クレール」の編集者であるザナ・ロバーツ・ラッシと、ファッションデザイナーのケネス・コール。



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好評だったのは絵画の技法を実際に採り入れたアンソニー、生地にペイントを施したジョシュア、ソフトとハードの対比が見事だったローラの三人。


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不評だったのは「テレタビーズがパーティーに着ていく服のようだ」と作品を評され、モダンさに欠けたバート、トップスに時間をかけすぎてボトムがおろそかになり、色遣いも地味だったオリヴィエ、狼の絵をうまくアバンギャルドな美しさに昇華できず、「娼婦が着るような服だ」と作品を評されたジョシュの三人。


結局脱落したのは、前回カムバックしたばかりで、2度目の脱落となったジョシュ。優勝はブラッシュストロークの画法を採り入れ、アバンギャルドな見た目ながらもシンプルにまとめたアンソニー。アンソニーは優勝特典として、次回の審査免除を勝ち取る。




みなさん、こんにちは!


今回のテーマは、絵画にインスパイアされたアバンギャルドな服。アートとファッションは切っても切り離せない関係ながら、アート作品とファッションは別のもの。ファッションはあくまでウェアの枠に落とし込まなければならず、アートになり過ぎても、また、今回のテーマでは無難になり過ぎるのもNGでした。


では、今回のテーマの要である“アバンギャルドな服”とは、いったいどんなものなのでしょう? マイケル・コースは「アバンギャルドというのは、伝統的な美しさと違っていい。奇妙な美しさがあって、考えさせられるものでいいんだ」と言っていました。私自身も、固定概念から一歩飛び出た先にある新たな魅力が、アバンギャルドな服だと思うのです。


アシンメトリーなカッティングや異素材のコンビネーション、大胆な色使い、極端なまでに短かったり長かったりするライン、デコラティブな装飾。これらのような利便性とはかけ離れた、通常の服では表現し難いディテールがアバンギャルドな服には多く見られます。しかし、ただユニークなディテールを盛り込むだけでは、薄っぺらいコスチュームになるのがオチ。それを美しさに繋げるには、根底に流れるテーマ性やコンセプト、思想が重要となってくるのです。何にインスパイアされ、どう解釈し、ファッションとして表現するのか……それを追求すればこそ、芯の通った作品となり、服としての面白みや美しさも広がっていくのだと思います。


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今回の回から見ても、ただ単にキャンバスの絵を服に落とし込んだだけの作品は、作品自体の魅力が感じられない、まるで血が通っていないかのようなものでした。不評だった三つの作品がまさにそう。しかし一方で、描いた絵画のコンセプトや意味を自分なりに解釈し、うまく表現した作品は、高評価を得ていましたね。


「アバンギャルドに仕上げよう」という点ばかりに気を取られると、テーマの本質から逸れてしまいます。今回のテーマのポイントは、あくまで、アートにインスパイアされることが、結果的にアバンギャルドな表現になるということ。創造するということは、何かに感銘を受けることからスタートします。そこから得たコンセプトやテーマ性を追求することは、今後デザイナーたちが自身のコレクションを発表する上で最も重要な課題となってくるのでしょう。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したアンソニーの作品の注目ポイント


8

ブラッシュストロークの手法を大胆に取り入れたアンソニーの作品は、まさにアートとファッションの融合。シアー感のある生地に、鮮やかな色使いが美しかったですね。服の構造としてはシンプルですが、色の配置やバランスでモダンに昇華していました。リーゼントのようにまとめた髪型や目元を強調したメイクもドレスを引き立てるポイントに。色彩が織りなす優美な世界感がランウェイからも伝わってくるようでした。



☆ 極私的お気に入りルック


9

◆ アーニャの作品

木が燃えているような絵からインスパイアされたアーニャの作品は、アフリカンなディテールと中世のドレスが融合した、まさにフュージョンと呼ぶにふさわしい作品。飛び抜けたアバンギャルドさは少ないものの、作品としての美しさは郡を抜いていたように思います。襟元の羽根や色柄のコンビネーション、シルエットのコントラストなど、主張の強いディテールをバランスよくまとめ、完成度もトップクラス。チリチリのアフロヘアも最高にクールでした! プリミティブなデザインをモダンに仕上げるのがアーニャの良いところ。それが存分に表れた作品でしたね。

2013.8.25|第9シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

S9#5「チーム戦はバランス!」

今回はチーム戦。3人一組のチームを組み、ハイジがニューバランスのためにデザインしているスニーカーに合う服を3着ずつ作る。優勝作品は製品化され、ニューバランスのハイジのブランドとしてアマゾンで限定販売される。


1

チーム分けのために陸上レースが行われ、トップに入った4人がメンバーを選べる。ジョシュアはやる気満々で、1着を取り、希望どおりのメンバーをゲット。順番にメンバーを選んでいくと嫌われ者のバートが残り、アンソニーのチームに入ることになる。また、セシリアが棄権したため1人少なくなり、ヴィクターのチームは過去の脱落者から1人選んで復活させてよいことになる。そしてジョシュが復活、コンペに加わる。


2

チーム作業では、案の定バートがもめ事のタネになっている。ジョシュアのチームでもジョシュアとベッキーがうまくいかずケンカになるが、ジョシュアは何とか前に進めていく。
夜11時の作業終了時が近づいても皆の進み具合が芳しくないため、朝の4時まで作業が認められる。


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ゲスト審査員はモデルでデザイナーのエリン・ワッソン。各チーム3着ずつのコレクションが披露される。どのチームにもいい服と悪い服があり、審査は難航。アンソニーのチームとジョシュアのチームで起きたイザコザも明らかになる。一方、ヴィクターはリーダーとして良い仕事をしていた。ブライスのチームの中では、ダニエルの服が批判を浴びる。いつもと同じようなシルクのトップスで、出来もよくない。


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審査員の意見は割れる。いいデザイナーでありながら、チームをうまくまとめきれず自分の服もおろそかになってしまったアンソニーを落とすべきか、またしても似たような服を作ってきたダニエルを落とすべきか。結局ダニエルが脱落。優勝はヴィクターとジョシュアの2名。それぞれのチームからよかったアイテムが製品化されて販売される。




みなさん、こんにちは!


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今回も魔のチーム戦! ハイジがニューバランスとコラボしたスニーカーに合わせて、服を三着つくるテーマでした。チームメンバーの相性が作品に影響するのは以前にも書きましたが、今回も波乱の内容でしたね。やはりトラブルメーカーはバート。チームメンバーのアンソニーやローラと協力し合わず、我が道を行く感じ。どこか批判的で見下しているような態度でした。


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特に審査会で、アンソニーとローラが手がけた服が批判され、自分の服だけ評価されたときの「してやった!」な態度! 見ているこっちまでムカっときましたよ。ただ、確かに彼の技術は他のデザイナーより高く、作品の仕上がりが良いのも事実。あの三つの作品のなかで、彼の服だけ出来映えが違いましたよね。だからなおさら悔しい!


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かたや、以前「足長パフォーマーの服をデザインする」回でバートとチームを組んだヴィクターは、今回優勝するほどの大成功。あのライダースジャケットとワンピースは、アーバンなバイカーガールを彷彿させる素晴らしい出来でした。やはり、バートに関わらなかった分、自分の能力を存分に発揮できたのでしょう。チームメイトのオリヴァーとジョシュとの相性も良かったようですしね。


うう~ん、、関わる先々で波乱を巻き起こすバート。このまま曲者のままでテーマをこなしていくのでしょうか……。



さて、今回のスニーカーに合わせる服についてですが、最近のトレンドでもスニーカーはイットアイテムの筆頭格。特にこの春夏はニューバランスやナイキをはじめ、ジバンシーやサン・ローランなどのハイブランドのスニーカーも人気を集め、タウン使いするのがブームとなっています。


そんなスニーカーのおしゃれで気をつけるべきなのが、シルエットとバランス。本来スポーツアイテムであるスニーカーは、足を美しく演出するシューズではありません。機能性を重視するがゆえに、足元がアクティブになり、結果洋服もラフになりがちです。だからといって、ゆる~いスウェットやTシャツなどの、ルーズなアイテムを主役にするのはナンセンス。仕立ての良いジャケットやシャツ、タイトスカート、ミニドレス、細身のパンツなど、あえてきちんとしたアイテムをプラスすることで、シルエットがすっきりとし、足元のラフさが引き締まるのです。


またスニーカーは、脚のラインにごまかしが効かないため、美しく履きこなすには洋服のバランスが重要。ゆったりとしたトップスにはタイトなボトムス、コンパクトなトップスにはゆったり気味のボトムスという、ファッションの王道セオリーを厳守すると、バランスのよい着こなしに仕上がります。ウェアの足し算引き算が効果的に作用するのがスニーカーのおしゃれ。今回の優勝作品も、メリハリを効かせた着こなしで、スニーカースタイルをワンランクアップさせていましたね。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したヴィクターとジョシュアの作品の注目ポイント


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今回はハイジの権限で優勝は2人に! ヴィクターが手がけたライダースジャケットとワンピースは、シックでモダンな女性のマストハブになりそう! アーム部分のステッチやシームの入り方が手が込んでいて、短時間でよく作れたなぁと感心してしまいました。そして、手がけたのはアーニャですが、チームリーダーとして優勝したジョシュアの作品は、Iラインのシャープなマキシドレスが最高にクール。ビビッドピンクのテープが全体をぴりりと引き締め、エッジの効いたスポーティモードを印象づけていましたね。どちらの作品も今すぐ着たくなるクオリティとトレンド感を有していて、スニーカーとも相性抜群でした。


☆ 極私的お気に入りルック


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◆ ブライスのドレス

光沢のある厚手の生地でミニドレスを仕立てたブライス。直線的な肩のラインやサイドのスナップボタンがどこかフューチャリスティックで、スニーカーに合わせるとさらにモード感が高まっていましたね。ミニ丈にして潔く脚を出したのも良かった! 足元がすっきりとし、脚長効果を発揮していました。マイケル・コースが言っていた通り、靴をヒールに変えても素敵に着こなせそうです。

2013.8.18|第9シーズン|コメント(1)トラックバック(0)

S9#4「すべてはニーナのために」

フォーリーンが脱落して13人になった生き残りメンバーたち。今回のテーマはある特別なクライアントのために服をデザインすること。そして現れたのはなんと、「マリ・クレール」誌のファッションディレクターでもあり番組の審査員も務めているニーナ・ガルシア。


ニーナの要望は「昼間仕事で着られて、その後夜にイベントへも着ていける服」。デザイナーたちはニーナの要求を採り入れ、一人一人デザイン画を見せて相談した後、作業に入る。


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キンバリーはドレスを作るつもりだったが、前回までのテーマでパンツを作る技術が評価され、今回もパンツを作ってほしいと要望される。アーニャは柄のあるマスタード色の生地を使うつもりだったが、ニーナが気に入らないことを感じると思い切って生地を染めることを決意。ジュリーはハイカラーの構造的な服をデザインするが、襟が大きすぎるとハイジから指摘され、襟を極端に小さくすることに。セシリアは生地選びの段階で失敗。紫だと思った生地が実はグレーで、「全体的にくすんだ印象だ」とニーナからのリアクションも悪い。


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審査会当日。ゲスト審査員は「マリ・クレール」の編集長ジョアンナ・コールズと、女優のケリー・ワシントン。






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好評だったのはニーナの要望通り、当初のドレスの案からセパレートに変更して見事なトップスとパンツをデザインしたキンバリー、思い切って生地を染めてマスタード色の生地を落ち着いたいい色合いに変え、独特なジャンプスーツを作り上げたアーニャ、黒一色のシンプルなセパレート型ドレスを見事に仕立て上げたヴィクターの三人。


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不評だったのは古くさく何の変哲もないブラウスを作り上げたダニエル、襟を小さくしたものの、開けっぴろげな襟になりニーナの要望とかけ離れたものを作り上げたジュリー、生地選びの段階で失敗し、最善を尽くすことを放棄したセシリア。


結局脱落したのは、セシリアに手伝ってもらいようやく完成させたものの、用途のよく分からない服を作ったジュリー。優勝はテーマをよく守り、ニーナも大満足の服を作り上げたキンバリー。後日キンバリーがニーナの元を訪れると、ニーナはキンバリーがデザインした服を着て登場。タクシーに掲示された「マリ・クレール」の広告にも自分の服が使われていてキンバリーは大感激する。




みなさん、こんにちは!


今回はニーナのためにつくる服がテーマ! これはかなり手強い課題ですね。だって相手は、ファッションに精通して、デザイナーに厳しくて、毒舌で、こわ~いニーナ・ガルシアなんですもの……。私だったら緊張して何もできないかも。。


彼女の要望としては「昼間仕事で着られて、その後夜のイベントへも着ていける服」でした。落ち着いた雰囲気がありながら華もあり、洗練されていることが求められます。ニーナらしいスタイリッシュな服であることはもちろんですが、実はもうひとつ重要なポイントだったのが「マリ・クレール」の広告に使われること。これが発表された時点で、暗いトーンや沈んだ色のシンプル過ぎる服は外されるな、と思いました。


広告に使われる服で求められるのは、広告内容にマッチするのはもちろん、アイキャッチーであることも重要。特にファッション誌の広告なのですから、なおさら人目をひく色や素材を盛り込み、ファッショナブルに作り上げなくてはいけません。


ニーナの要望も満たしつつ、広告にもマッチする服をつくる……なかなかのハードルながら、今回の優勝者、キンバリーは見事やってくれましたね!


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ところで、この回で爆笑してしまったのが、審査会での「マリ・クレール」編集長、ジョアンナ・コールズの批評っぷり。酷い作品が出るたび、「もしニーナがこのドレスを着て表れたらクビになりたがってるとしか思えない」「ニーナがこのドレスを着てたら心配だから入院させる」「ファッション部門全員でこっそり隅っこに集まって、『今日のニーナは一体どうしちゃったの?』って言うはずよ」「あんなドレスを着た人をオフィスにはおけない」などなど、数々の辛口&名コメントを言ってくれました。前からジョアンナさんの言動が妙にツボだった私としては、かなりおもしろい審査会でした。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したキンバリーの作品の注目ポイント


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ランウェイに登場した瞬間、優勝を確信したキンバリーの作品。パンツの美しさは去ることながら、トップスのカッティングも秀逸。アシンメトリーに生地を組み合わせた構築的なディテールが、ゴージャスなゴールド地をモダンに昇華させていました。トップスとボトムスのバランスもよく、上半身をコンパクトに、下半身をシャープに、脚は長く見せていましたよね。まさに、「昼間仕事で着られて、その後夜のイベントへも着ていける服」。さらには、広告に採用すれば間違いなく華やかな写真になることでしょう。ジョアンナが「伝票の整理をしていてもセレブな生活をしているような気分にさせる服」と言っていましたが、言い得て妙ですね!


☆ 極私的お気に入りルック


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◆ ジョシュアのドレス

ニーナが着るかと思ったら少々若々しいかもしれませんが、色のコンビネーションや仕立てがとても良い作品でした。ビビッドなオレンジとライトグレーの生地を組み合わせたモダンな配色に黒のラインが効いていましたね。ボディにフィットしつつ、着やせ効果を狙った点もポイント高いです。ジョシュアの作品って、オネエなデザイナー特有の派手さがあるのですが、全体的につくりが良いので、もっと引き算をして抑えたらさらに良さが際立つと思うんですよね。今後も期待大です。

2013.8.11|第9シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

S9#3「初体験!野外ランウェイ」

今回のテーマは、スティルトと呼ばれる竹馬の一種に乗ってパフォーマンスをする「足長パフォーマー」をモデルにしてデザインすること。2人1組のチームに分けられ、共同で作業する。作業は一日、予算は500ドル。プロジェクト・ランウェイ史上初めて、野外で公開審査会を行うことになる。



1

バートとヴィクターのチームは何かと反発しあい、生地選びも作業もスムースにいかない。ベッキーとキンバリーは、それぞれの得意分野に合わせてパンツとジャケットを担当。フォーリーンとブライスのチームは、バレリーナ風のスタイルでビスチェを作ろうとするが、フォーリーンが生地の裁断を間違ってしまい、やり直すハメになる。時間がないためビスチェは諦め、シンプルなチューブトップにせざるを得なくなった。



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公開審査会の日。予想以上の大きなイベントで驚くデザイナー達。キム・カーダシアンをゲスト審査員に迎えてショーが行われる。



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好評だったのは、ドラマチックで鮮やかな赤いドレスを作り上げたローラとアンソニーのチーム、シフォンという難しい生地で見事なパンツとブラウスを作ったダニエルとセシリアのチーム、若干スター・トレック風のデザインではあるが素晴らしい仕立ての服を作ったベッキーとキンバリーのチーム。



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不評だったのは、ケバいマタドール風のデザインのジョシュアとジュリーのチーム、時間不足で退屈な服になってしまったフォーリーンとブライスのチーム、まるで壁紙とカーテンのようなドレスになってしまったバートとヴィクターのチーム。


結局、優勝はローラ。最下位はヴィクターかフォーリーンに絞られるが、脱落者はフォーリーンに決定する。




みなさん、こんにちは!


今回は、今シーズンで初めてのチーム戦。相性の良い者同士だと素晴らしいケミストリーが生まれますが、合わない相手だと悲惨な結果に……。人間関係がかき乱されるこのチーム戦、プロジェクト・ランウェイの隠れ名物でもあります!


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さて、今回のトラブルメーカーは? やっぱりバートでしょう。あの頑固さ、理屈っぽさ、批判的な態度……チーム戦には絶対向かないタイプ! 自分だけ歳を重ねているせいか、他のデザイナーを下に見てしまうようです。チームを組んだヴィクターとの相性はさらに悲劇的。テイストやデザイン画で何かと言い争いになり、審査会でも責任のなすり付け合いをしていましたよね。どちらもまったく引かないから、溝がどんどん深まってしまったよう。そんな不仲も相まって、今回の彼らの作品はワースト入り。確かにあのロココ調のドレスは、生地が悪目立ちした趣味の悪いコスチューム。カーテンや壁紙をはがした即席ドレスのようで、良い点がなにひとつありませんでした。


今回「足長パフォーマーをモデルにしてデザインする」というテーマで、ティムがアドバイスしたのは「パリのクチュールを参考に」でした。年に二回実施されるオートクチュール・コレクションは、贅沢な素材やクチュリエの高度な技術を総動員してつくる、まさにメゾンの集大成。ファッションという名の芸術を最大限にアピールする場所です。


そんなクチュールを参考にするということは、デザイナーがもつアーティスティックな感性と技術を存分に発揮し、既製服とは一線を画すダイナミックな作品を手がけて欲しいという意味だったのでしょう。それを叶えたのが脚長モデルという非現実的な対象。番組としては、大き過ぎるモデルにあえて着せることで、デザインの要素、服の構成、仕立ての技術を露見させたかったのでしょうね。だからこそのチーム戦! スキルの違いはあれど、2人揃えば手がけるマンパワーも二倍。ひとりでは実現できないクリエイティブな作品を生み出すことができたはず。とはいえ、成功すれば記憶に残る最高の作品が、失敗すれば、目に見えて酷い作品になるわけですが。。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したローラとアンソニーのドレスの注目ポイント


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前記した「パリのクチュールを参考に」のアドバイスを見事、自分たちのものにしていた彼らの作品。まるでオートクチュールの「バレンティノ」のコレクションを見ているような、エレガントで美しいドレスでした。深紅と明るい赤の、2色の赤を用いたのも素敵。バラの花びら風の肩のディテールが、いい具合にドラマティックでしたね。デザインと仕立ての良さはもちろんですが、今回あえてポイントとなったのは全体のつくり。ぴったりと上半身にフィットするボディスではなく、少しゆとりのある生地でバストからドレープを寄せたことで、手間がかからずゴージャスに仕上がりました。その分、肩やボトムスに集中できたはず。こうしたデザインと技術の足し算引き算が勝因にも繋がったのでしょうね。


☆ 極私的お気に入りルック


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◆ アーニャ&オリヴァーのドレス

個人的に好きなアーニャとオリヴァーがタッグを組んだ! ということで最初からかなり期待していたふたりの作品。出来は予想通りの素晴らしさでした。他の作品よりもダイナミックさにかけるものの、アーバンでモダンな仕上がりはまさにふたりのいいところ取り。上半身の構築的なディテールは、メンズファッションを得意とするオリヴァーならではのスポーティさがあり、ボトムスの流れるようなドレープや美しいプリント使いは、アーニャの得意とするところ。それがうまく組み合わせられ、洗練された一着となっていました。このまま通常のサイズにして販売すれば、間違いなく売れるはず! 上品さとリアリティが感じられる、等身大の作品でした。

2013.8. 4|第9シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

S9#2「型破り!わんダフル・ドレス」

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ラファエルが脱落して15人になったメンバーたち。創造性をフルに引き出してほしいと言われた彼らが連れていかれたのはペット用品店。布地から服を作るのではなく意外な素材を型にはまらない新しいやり方で服に取り入れることが求められる。


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前回ギリギリでの通過だったジョシュは、ネコの爪研ぎ棒、爬虫類用のケージ、ペット用の傘などを使い、今回はいい物ができそうだと予感する。逆に前回優勝したバートは、コスチュームデザインのようなことは得意じゃないし、したくないと、前回優勝したために今回は審査を免除されていることに感謝する。





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審査会当日。ゲスト審査員は「アリス アンド オリビア」のデザイナー、ステイシー・ベンデット。好評だったのは鳥のエサをアクセントにした、シルエットもよくシックなドレスを作ったアンソニー。同じくシルエットがよくシックなドレスを犬用のベッドとハムスター用のマットレスで作り上げたオリヴァー、そしてゲスト審査員ステイシーも大好きな水槽用の砂を使って発色のいいカラフルなドレスを創作したジョシュア。



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不評だったのは用途の分からない、トップスとボトムのバランスも悪いドレスを作ったブライス。傘という独創的とは言いがたい素材を使ったジョシュ、ハロウィンのような色遣いの、自分でも納得行かないドレスを作ってしまったフォーリーン。







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優勝をアンソニーにするかオリヴァーにするかで審査員の票が割れながらも、最終的にはオリヴァーが優勝し次回の審査免除を獲得。フォーリーンはギリギリで合格し、前回ギリギリだったジョシュが脱落となる。









みなさん、こんにちは!


今回は、プロジェクト・ランウェイ恒例の特殊素材のテーマ! 過去にも金物店の材料やパーティグッズ、新聞、ゴミ袋、芋袋(笑)など、多種多様な素材がテーマになりましたよね。この特殊素材ネタ、毎回、独創的な作品がたくさん登場するので、いつも楽しみにしています。


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それにしても、小鳥のえさからハムスターのマットレス、エリザベスカラーにペット用の傘まで、ペット用品は幅広いですね。色やテクスチャーが多彩な上、染色などの加工がしやすいから、変化の幅も広い。想像力豊かなデザイナーにとっては、かなり興味深い材料となったことでしょう。


この特殊素材のテーマでは、毎度のことながら、材料の特性をいかに活かすかがポイントとなります。素材のチョイスと使い方でサプライズを呼び、審査員をあっと言わせなければなりません。そしてなおかつ「コスチュームっぽさ」を回避し、ファッションの枠組みに落とし込まなければならない……。う~ん、難しいけれど、まだデザイナーの力量が推し量れない第二回目にはぴったりの課題!


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そんななか頭角を現したのが、アンソニー、オリヴァー、ジョシュアの三人。特に、アンソニーのドレスは、ビーズと見紛うような美しい装飾にびっくりでしたね。これが鳥のえさだなんて、驚きです。ひまわりの種を貼った首回りは、バストに向かって広がっていく放射状のあしらいが秀逸。制作場面から期待値が高かったので、納得のいく仕上がりでした。


とはいえ個人的には、モードを感じさせたオリヴァーの作品に一票入れたいところ。トップスとボトムスで素材のコントラストを出したのが良かった。


アンソニーとオリヴァーのドレスを例えるなら、前者はクチュール色の強いメゾン系ブランドのドレス、後者は、都会生まれの新鋭クリエイターのドレスという感じでしょうか。ハイジとニーナの間でも意見がわかれるほど、ふたりの作品は甲乙つけがたい仕上がり。さて、皆さんでしたら、どちらの作品に軍配をあげますか?


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したオリヴァーのドレスの注目ポイント


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接戦の上、見事優勝したのがオリヴァー。第一回目から期待できるデザイナーだっただけに、やってくれましたね! やはり、ぐんをぬいた洗練度が勝因でしょう。素材のコントラスト、ベージュトーンのオンブレ効果、立体的なフォルムなど、ディテールのバランスや色のチョイスが秀逸。特に、もこもことした犬用ベッドのトップスと、木片のようなハムスター用マットレスのボトムスの質感のコントラストが印象的でした。眉毛については、マイケル・コースが「装飾が余計だった」と言っていましたが、ランウェイで見せる分には、私はアリだと思うのです。この眉があったことで、空想をかきたてるようなドラマ性が演出できたかと。作品を“つくる”だけでなく、ショーでどう“見せる”かも、デザイナーのクリエイティビティのひとつ。ぜひファイナルランウェイまで残って、魅力的な作品を見せて欲しいです。


☆ 極私的お気に入りルック


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◆ アーニャのドレス

服の造りとしては全体的にシンプルですが、犬用リードと紐のおもちゃを使ったボディスが素晴らしい仕上がり。紐とリードをツイストして編み込み、色と質感のミックス感を出したのがよかったですね。特に胸元部分は、細かな編み地がツイードのよう。ラテンっぽい明るい配色を黒のボトムスで引き締めたのもメリハリが効いていました。ロックテイストのヘアメイク、スタイリングもエッジィな印象。第一回に引き続き、アーニャ推しになってしまいましたが、細かな手仕事にセンスが表れる彼女に今後も要注目です。

2013.7.28|第9シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

S9#1「早朝パジャマパーティー」

全国から選ばれたデザイナーが集まって第9シーズンが開始。デザイナー達は早朝に起こされ、着の身着のままで、ベッドのシーツだけを持ってついてくるように言われる。着いた先はパーソンズのワークルーム。そこでテーマが発表される。今着ているパジャマと持って来たシーツだけで服を作るのが課題だ。使えそうないい服を着ている者とそうでない者がいて、一同騒然となる。


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途中、ティムが助言に現れる。ラファエルは頭にスカーフを巻いており、いい材料になりそうなのにそれを使おうとしない。寝癖がひどくてスカーフを取りたくないらしい。フォーリーンはTシャツについていた刺激的なロゴをそのまま使用。ジョシュは縫いしろの余裕を取らなかったために、モデルにフィッティングした後 直す余地があるか懸念される。アーニャは縫製の経験が浅いにも関わらず初めてのパンツ作りに挑戦。苦労はしているが出来はよさそうだ。


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審査会当日。初のランウェイ。ゲスト審査員は女優のクリスティナ・リッチ。好評だったのは、あえて初めてのパンツ作りに挑戦し自分の力量を審査員に見せつけたアーニャ、ラフなTシャツルックをうまくまとめたアンソニー、ボクサー・ショーツから洗練されたドレスを作り上げたバート。


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不評だったのは、フィッティングもひどく方向性がよくなかったジョシュ、結局スカーフを使ったもののパッとしなかったラファエル、素材の柄をうまく使えなかったジュリー。








最終的にはバートが57歳という年齢をものともせずに優勝。ラファエルが脱落となる。




みなさん、こんにちは!


今年もプロジェクト・ランウェイがスタートしました! 第9シーズンもブログでのお付き合い、どうぞよろしくお願いします。


スキル&パーソナリティともにハイレベルだった前シーズン。今シーズンは、見るからにクレイジーなデザイナーは少ないものの、個性さまざまな強者が集合したようです。彼らはこの先、どんな作品と、、本性を見せてくれるのでしょうか??


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今回、特に私が気になったデザイナーは、たった4カ月の縫製経験で見事なパンツを作り上げたアーニャ、自分のボクサー・パンツでシックなドレスを作り、見事優勝したバート、そして、ベスト3には入らなかったもののスポーティかつモダンなウェアを手がけたオリヴァー。この3人はもともとのセンスに加え、他のデザイナーよりも洗練された感覚を持っているようでした。


製作期間1日というタイトなスケジュールもあったせいか、他のデザイナーの作品はどこか大味でツメの甘さが目立ち、ランウェイでも今ひとつな印象。なかには、色使いや装飾が悪目立ちし、洗練とはかけ離れてしまったものもあったように思います。しかし、アーニャ、バート、オリヴァーらの作品は、短い製作期間をものともしない高いクオリティ。縫製、配色、ディテール共に素晴らしく、「この服着てみたい!」と思わせる魅力が確かにありました。


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では、スキル云々とは関係なく、他のデザイナーになくて、この三人の作品にあった魅力とは、いったいなんなのでしょうか? それは、時代が求めるファッションと空気感、女性像をうまく掴んでいた点ではないかと思うのです。


ここ数年のファッションの傾向として、“上質なリラックス感”は、マストなキーワード。最近のモード誌などでもよく使われる“エフォートレス・シック”がまさにそうで、ゆったりとしたラインやシルエット、アイテムの取り合わせでほどよく力を抜き、着崩すスタイルは、多くの女性から支持されています。その背景には、女性の生き方が多様化した今の時代、80年代や90年代ほどファッションで武装する必要がなくなり、女性がより等身大の自分で生きやすくなったことが影響しています。仕事や育児など、生き方の軸は人それぞれでも、昔ほど肩肘張らず、自分らしさを追求できる土壌が整った……そのなかで、肩の力を抜いたおしゃれを楽しむことは、ある意味精神的な豊かさを意味しているのでしょう。


そんな時代の空気感をうまく掴んでいたのが、三人の作品。モダンで洗練されていながらも、どこか力み過ぎない。実際に、街で颯爽と着こなす女性がいそうな、“今”のファッションが彼らにはあったのです。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。



☆ 優勝したバートのドレスの注目ポイント


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最初、アンダー・パンツをドレスの一部にすると知ったとき、「げっ!」と思った視聴者がどれだけいたことでしょう。はい、私もそうです。「ちょっとちょっとーーボクサー・パンツって下着じゃない? ってことはバートの…」なんて良からぬ想像を嫌でもしてしまいましたよ。。。しかし、出来上がってみたら何とシックでキュートなドレスなんでしょう!! グレーの濃淡にオレンジのギンガムチェックが効果的。生地のあしらいやカッティングでアシンメトリーなラインをつくったのも軽やかです。ハイウエストのリボンが全体をバランスよくまとめていましたね。しかもバート、誰よりも早く仕上げていましたよね?? テーマの要点を汲み取り、短時間で形にする技術は、プロジェクト・ランウェイでなくてはならないファクター。今後も期待大です。

2013.7.21|第9シーズン|コメント(1)トラックバック(0)