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Writers プロフィール

RIE MAESAKA
出版社勤務後、独立。フリーランスのエディター&ライターとして、モード誌や女性誌のWEBサイトを中心に、ファッションやセレブ、ライフスタイルにまつわるページを手がける。おしゃれ古着プロジェクト「セカンドクローゼット」も発足。愛猫との日々を綴った猫ブログも好評連載中。


#14「ファイナル・ランウェイ 後編」

いよいよファイナル・ランウェイ前日。エミリオ、セス、ミラの3人のファイナリストが出そろい、最後の準備が始まる。


1

ワークルームで作ってきた服を取り出したところでティムチェック。ティムは、セスが24着もの服を作ってきたことに驚愕。セスはそこから「洗練された服を厳選し、審査員に成長を見せる」と宣言する。エミリオは相変わらずティムのアドバイスに耳をかさず、自分の信じた方向性を突き進むもよう。ミラは、前回の審査で言われたとおり「ラフな」スタイリングを目指すよう念を押されるのだった。


2

モデルをキャスティングし、メイクアップとヘアの打ち合わせ、そしてフィッティングをして、3人はホテルに帰る。






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ファイナル・ランウェイ当日。ミラとエミリオのモデルが来ないというハプニングがあるが急きょ代わりのモデルを手配され、ついに運命の時がやってくる。セス、ミラ、エミリオの順でコレクションが発表され、その後いつものランウェイに戻って最終審査が行われる。


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1940年代のドイツとロシアのミリタリーからインスピレーションを得たセスは、インパクトと個性はそのままに、新たに加わった洗練された雰囲気を絶賛される。コスチュームっぽさに転びかねないことを指摘されながらも、そのショーマンシップも好評。


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アメリカン・カジュアルウェアに根ざし、鮮やかな色使いで「ワルに染めて」というテーマを掲げたエミリオは、女性を最大限に美しく見せる服と自分の名前を配したオリジナルのプリントが高評価。そのまま一般受けしそうな服ではあるが、ドラマ性が足りないのではと評される。


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「影」をテーマにしたミラは、課題だったスタイリングもうまくいき60年代そのままではない、モダンなスタイリングになったと太鼓判を押される。幾何学模様一辺倒ではなく、別のソフトな面も出したことが好評だが、驚きはなかったとの評価。


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3人とも非常に高い評価を受け、審査員たちの話し合いも難航するがついに最終結果発表の時がやってくる。まずミラが脱落。残ったセスとエミリオのうち、セスが今シーズンの優勝者と発表され、セスは家族と共に喜びをかみしめるのだった。









みなさん、こんにちは!


8

今回でついに第7シーズンが完結! 優勝はなんとなんとーーセスでした! 前評判が高かったエミリオが最有力候補だったのに! 驚きの結果です。エミリオ本人も自分が優勝すると確信していたはず。落ち込み方がすごかったですもんね。。。ともあれ、セス、優勝おめでとう! 彼のコレクションは、エッジが効いていながらもエレガントで洗練され、かつワクワクさせる、サプライズ感に富んだラインナップでした。最初に赤いドレスが登場したときの衝撃たるや、ランウェイを見ていた人のみならず、視聴したすべての人の心をつかんだことでしょう。


9

今回の一番の勝因は、彼の服にあるドラマ性。ロックテイストをベースにしたコスチュームライクな服作りは、しばしばやり過ぎと批判されてきましたが、ファッションがもつファンタジックな魅力を改めて教えてくれたように思います。“1940年代のドイツとロシアのミリタリー”に着想を得た点も良かったですね。ミリタリーといえば、ユニフォーム。襟やベルト、グローブなど、機能性を重視したユニフォームのディテールをやや誇張してデザインすることで、モードにまで昇華することができました。


あとひとつ、他のデザイナーに比べて思ったのが、ニーナも言っていた「セスにはガッツがある」ということ。彼はどんな課題にもひたむきで真っすぐに取り組み、自分の作りたいものに正直であり続けました。人の意見を参考にする柔軟性を持ち合わせながら、自分自身の個性も失わない……その辺のバランスがとても良かったと思います。そう考えると今後の成長にも期待が持てますよね。他の2人よりもさらなる高みに登れる“伸びしろ”がセスにはあるのです。だからこそ審査員はセスを優勝させたのでしょう。


それでは今回の3人の作品を、私的お気に入りルックとともに振り返ってみましょう。


☆ セスの作品の注目ポイント&私的お気に入りルック


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見事優勝したセスのコレクションは、目を引くアイテムのオンパレードでした。冒頭の赤のドレスに始まり、ふんわりとしたパラシュートドレス、イエローのタータンチェック柄コートなど、一点一点登場するたびに「次は何が出てくるの?」というワクワク感がありましたよね。私が特に気になったのは、ツイードにドット柄、エナメルのベルトを組み合わせたワンピース。ストライプ柄のタイツも合わせて、異なる柄のミキシングでクールなモノトーンコーデを作り上げていました。胸元の切り返し、ハイウエスト気味のベルト位置、フロントに配したエナメルのデザインと、すべてがバランスよく調和。上品でいてモダンな印象もあり、現代女性のためのハイクラスな一着となっていましたね。



☆ エミリオの作品の注目ポイント&私的お気に入りルック


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アメリカン・カジュアルウェアをベースに、鮮やかな色使いで多彩なアイテムを打ち出したエミリオ。「ワルに染めて」というテーマで、女らしさの中にセクシーさも忍ばせたコレクションを展開していました。審査員たちは「ドラマ性がない」と言っていましたが、シルエットや色柄に80年代後半から90年代のパワフルなエッセンスが散りばめられ、私的には充分ドラマティックだった印象が。特に気になったのが、ファーストルックのコート+プリントドレスの組み合わせ。渋いカーキ色のコートは大きめのショルダー部分とフロントのフックがポイント。ふんわりと丸みを帯びたシルエットもとってもエレガントでした。何より裏地の鮮やかなオレンジ色が鮮烈な印象! リップの色を揃えていたのも心憎い演出です。中に着たオリジナルプリントのドレスは、トップから裾にかけてのグラデーションが絶妙。全体にあしらえば少々アクの強い色柄ながら配置を工夫することで効果的にプリントの魅力を打ち出せていましたね。



☆ ミラの作品の注目ポイント&私的お気に入りルック


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ファッション・ウィークを前にした最終審査で「モダン&エッジィ、ラフさを取り入れて」というアドバイスを受け、ファイナル・ランウェイで見事に殻を破ったミラのコレクション。最終審査では60年代のレトロさと白黒ディテールばかりが目立っていましたが、ヘア&メイクにラフさとエッジを加え、若々しいスタイリングにしたことで、フレッシュなリアルモードに進化していました。個人的にも今すぐ着たいアイテムが満載! 特に気になったのは、ひらひらとしたリボン状のディテールのトップス+ハーフパンツの組み合わせ。動くたびに揺れるトップスのディテールがテーマの「影」をイメージさせて、美しいコントラストに。斜めがけのショルダーバッグもスポーティなアクセントとなって、大人の女性の魅力をさらに引き立てていました。

2012.1.15|第7シーズン|コメント(6)トラックバック(0)

#13「ファイナル・ランウェイ 前編」

1

ファイナル4に残ったエミリオ、セス、ミラ、ジェイの4人は、地元に戻ってファッション・ウィークで発表する10着のコレクションの準備を始める。途中でティムがそれぞれの家を訪ね、進捗をチェックする。


まずはセス。彼は作業が早く、すでに15着も作り上げていた。NYに戻ってからは取捨選択するつもりだという。だがティムは「新鮮な驚きがない、全体を考え直せ」と助言。セスは一からやり直せというのか、とショックを受けるが前向きに受け止める。


次はエミリオ。色やプリントを多用したコレクションだ。ティムはいくつか修正点を指摘するが、エミリオは自分の思ったとおりに突き進もうとする。


次はミラ。やはりコレクションは白黒がメイン。だが今回は少し色も加える。ミラは家のインテリアも白黒、飼っている犬も白黒だった。

最後にジェイ。サムライをイメージした服作り。ティムは、奇をてらいすぎると学生の作品のようになるぞと忠告をする。


2

いよいよファッション・ウィークが近づき、デザイナーたちはNYに再び集結。ジェイとミラは同室となり、今まで口もきかない仲だったのが、素直に話をしあって和解する。


ワークルームでの作業初日。いきなり「本日ジェイとミラの審査会を行う」と通達がある。まさか初日に審査があるとは思っていなかった2人は驚く。それぞれ3着ずつを披露し、ハイジ、マイケル・コース、ニーナ・ガルシアの3人が審査。ファッション・ウィークに進めるのはどちらか1人だ。


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ミラのコレクションはすべて白と黒。よくできているが、今までと同じでサプライズがないのと、ややレトロすぎに見えるきらいがある。





4

ジェイのコレクションは斬新なアイデアが盛り込まれ新鮮だが、やりすぎな面がある。どちらも力作ぞろいで甲乙つけがたく、審査員の意見も分かれる。


最終的には、どちらのデザイナーの服ももっと見たいかという点が決め手になり、ミラがファッション・ウィークに駒を進めることになる。





みなさん、こんにちは!


ついにファッション・ウィークに出場する最後のひとりが決まりましたね。選ばれたのは白黒モードを貫いたミラ! 彼女、最初はちょっと“嫌な奴”な印象でしたが、デザインに対する信念と優勝への想いが人一倍強く、回を重ねるごとに人間的魅力も明かされていったように思います。


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今回の審査会で披露した服は新鮮みには欠けるものの、仕立ての良さとエレガントな仕上がり、統一感あるデザインが評価を得ました。何より、ジェイと比べて、着ていくシーンやシチュエーションを想像できるリアル感がありましたよね。実際ファッション・ウィークで披露するアイテムとなると、“作品”ではなく“リアル・クローズ”として消費者に訴求することも重要。その点が勝敗を分けたポイントにもなったのでしょう。


さて、惜しくもファッション・ウィーク目前で脱落となってしまったジェイ。あんなに完成度の高いアイテムを仕上げておきながら直前で落とされちゃうなんて……相当ショックだったはず。彼のドラマティックで構築的な服、私は個人的に好きだったので、残念でなりません。。。


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「サムライ」をテーマにした女戦士のようなスタイルは、フューチャリスティックでモダン。だけど、主張するポイントがありすぎて、少々悪目立ちしてしまっていたようです。デコラティブなディテールを得意とする分、つい盛り込みすぎてしまうのでしょう。今までのように、テーマごとに1作品であれば印象深い作品として評価されたでしょうが、数十体を披露しなくてはいけないファッション・ウィークでは、どこかヌケ感やラフさを入れないとやり過ぎな印象に。一点一点の個性も埋没してしまいます。


ファッションにラフさやリラックス感を求める今の時代は、エレガントでありながらもどこか肩の力が抜けたデザインが好まれます。ジェイも仕立ての腕が確かな分、もっと素材やディテールで引き算をすれば、さらに良くなることでしょうね。


☆ ミラの作品の注目ポイント


7

ありきたりな白黒のデザインも、柄や素材で印象が変わることを改めて教えてくれたミラの作品。なかでも、このコート+ワンピースの組み合わせは、レトロななかにもモダンな雰囲気が漂い、洗練された大人の日常着といった印象に。特に、ボーダーと千鳥格子柄を組み合わせたワンピースは、柄と素材のコントラストが好バランス。スーパーミニに仕上げられているので、柄にインパクトがある割にすっきりと着こなせそうです。



☆ ジェイの作品の注目ポイント


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ニーナから3体のうちのベスト・ワンと言われたこのルック。上品なパープル色が絶妙ですよね。センターのジッパーを中心にシームやプリーツを配し、ディテールを対称に仕上げたのもポイント。そうすることでより近未来的なコスチューム感が表れていました。グローブもスタイリングのアクセントに。ボトムスと足元は、あえて厚手のタイツ+アンクルブーツにし、すっきりとまとめたのも上半身が引き立てられて良かったと思います。



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マイケル・コースの来日インタビューのノーカット版が
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是非ご覧下さい!
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2012.1. 8|第7シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

#12「ファイナリスト選出」

1

ファッション・ウィークの出場者3名を決める最後のテーマ。デザイナーたちが連れて行かれたのはサーカスのテント。ティムから「サーカスにインスパイアされたハイエンドなランウェイの服」がテーマと発表があり、彼らはサーカスを目の当たりにしてその迫力に圧倒されショーを楽しむ。その場でデザイン画を描いた後、デザイナーたちはムードで生地の調達。今回は予算300ドル、作業期間は2日間。


2

サーカスの衣裳を作った経験のあるエミリオは自信満々。ティムのチェックで「色味が足りない」と指摘されても聞く耳を持たなかったが、実際にモデルにフィッティングさせてみると同じ結論に達し、別のストライプで色を足すことにするのだった。






3

アンソニーは自分だけハッキリした色の生地を選ばなかったことに不安を覚えながら作業。一時は追い詰められて「どうやってもうまくいかない」と悩むが、他のデザイナーと違って自分の服はコスチュームではない美しいドレスだと意を強くする。


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サーカス団長の存在感に惹かれたミラはコートを作るが、すべての生地が光沢を帯びているため、セスには不評。またジェイは、ジャケットをアンソニーとミラに「マイケル・ジャクソンっぽい」と指摘され、不安を持つのだった。







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そして審査会当日。シンシア・ローリーをゲスト審査員に迎えてショーが行われる。


ドラマ性とファンタジックな雰囲気を持った服を作ったセスは、コスチュームっぽさがあると指摘されながらも攻めの姿勢が審査員の興味をかき立てる。アンソニーは生地のチョイスで批判を浴び、アイデアは評価されながらも技術面での懸念が指摘される。ジェイは、今の時代のセンスを買われながら、まだどんなデザイナーか見えないとの評価。ミラは、今回期待はずれな服だったと評される。エミリオは独創的なドレスが「今シーズンで一番」と絶賛され、洗練されたセンスが好評。


出場者発表の時となり、まずはエミリオとセスが通過。アンソニーは「デザイナーとしてまだ力をつける必要がある」と脱落を言い渡される。


残ったミラとジェイは、ファッション・ウィーク残りの1枠を巡ってコレクションを作り、その出来によってどちらかがコマを進めるということになるのだった。





みなさん、こんにちは!


ついにファイナリストが決定しましたね! エミリオとセスはだいたい予想通りでしたが、ミラとジェイが最終枠をめぐって後日再審査になる、というのはちょっとびっくりな展開。私個人としてはジェイのデザインする立体的な服が好きだったので彼に選ばれて欲しかったところ……でも審査員にもうひと押しできる何かが彼には足りなかったのでしょうね。


さて、今回は最終テーマということなので、この厳しい戦いに勝ち残ってきた5名の今回の作品を振り返ってみましょう。


☆ エミリオの作品の注目ポイント


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優勝回数最多でファイナリスト最有力候補だったエミリオ。今回手がけたドレスは審査員から「今シーズンで一番」と評され、自信に満ち溢れていましたよね。確かに、ストライプやボーダー、ドットなど、多彩な柄をミックスしてつくりあげたドレスは、色の構成、バランス、仕立て、すべてにおいてパーフェクト。誰の作品よりもクオリティが高く、何よりとても美しかったです。彼のすごいところは、イメージしたものを形にする腕とセンス。そこには迷いがなく、自身のクリエイティビティだけで勝負している。みんながティムの意見を参考にしたりするところを、彼はそれに反発してまでも自分を貫き通す……きっとそこに作品の説得力が生まれ、人を惹き付ける要因になったのでしょう。女性を美しくエレガントに見せながら、モダンなエッセンスを取り入れられる彼の作品。ファッションウィークでどう花開くのか、かなり楽しみです。


☆ セスの作品の注目ポイント


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今シーズン、ユニークな世界観で独自の作品作りを貫いたセス。みなさんは覚えているでしょうか。第一回で「俺流スタイルを貫くぜ」なんて言いながら恰好付けて登場したセスを。私は「また自信満々さんがやってきたなぁ。どうなることやら」とおもしろ半分に見ていたのですが、回を重ねるごとに発揮される彼の才能たるや、あっぱれのひと言。モダンでエッジの効いたデザインはともするとコスチュームになりがち。しかしそれさえも超越し高評価を得るのはハイクオリティな仕立ての腕があるから。今回の作品もリアルクローズにするにはあまりにも飛び抜けていますが、服としての面白みは満点。彼の作品を見ていると、ファッションは美しくもあり、そして楽しくもあるべきだということを再認識させられます。


☆ ミラの作品の注目ポイント


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今シーズンで唯一最後まで残った女性デザイナーでもあるミラ。彼女のガツガツした感じと不用意な発言は時にまわりを不快にさせてきましたが、ここまで残れたのは彼女の才能の賜物。彼女といえば、カラーブロックと60年代風スタイルがお得意。どちらも正直飽きていたんですけど、最後の作品はかなり冒険できたようです。大きな襟とバイカラーのディテールが入ったコートは、モダンなバンパイアを彷彿させる印象。これにシャイニーなイエローとピンクを合わせ、サーカスらしいポップさを加えたのがポイントとなっていました。彼女の課題は、得意分野のカラーブロックと60年代風スタイルからどうやって進化できるか。さらに洗練され、モダンにブラッシュアップできたならファッション・ウィーク出場は間違いないでしょうね。


☆ ジェイの作品の注目ポイント


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優勝経験が多く、モダンで洗練されたデザインにも定評があったジェイ。立体的なディテールのうまさでは彼の右に出る人はいませんでしたよね。だけど今回は、力が充分発揮できなかったのかもしれません。サーカスの団長からインスパイアされたジャケットはデザインと仕立ては最高なのですが、既存のデザインといった印象が拭えず、新鮮みに欠けていました。ピエロのパンツからイメージを広げたサルエルパンツもディテールが目立たなかったし。審査員の心に強く響かせるには、もっと遊びを効かせてもよかったのかもしれません。とはいえ、他のデザイナーの作品よりもリアリティとトレンド感がありました。ブランドとして独り立ちしたときに一番求心力があるのは、もしかしたらジェイかもしれませんね。


☆ アンソニーの作品の注目ポイント


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今回二度目の脱落を言い渡されたアンソニー。まさかの復活→優勝の展開があまりにも劇的だったのですが、やはり力及ばず。他のデザイナーよりも目に見えて技術力が足りませんでしたね。でもアンソニーのぷりぷりボディとお茶目なキャラは、今シーズンをより魅力的にしていたし、彼の果たすべき役割はまっとうできたはず。作品づくりにしても、色鮮やかでドラマティックなドレスは彼のもつ洗練された世界観を表していました。今後は生地の知識をもっと深め、デザインに最適な素材を用いることで、さらなる成長をとげることでしょう。ぜひドレスブランドとしてデビューして、美しいドレスと愛くるしい(?)キャラで世の女性達を素敵にしていってほしいですね。

2011.12.25|第7シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

#11「最強クライアント・ハイジ」

今回のテーマは、ファッションにうるさいセレブのためのレッドカーペット・ドレス。果たしてそのセレブとは…なんとハイジ。彼女が着る服とあって、プレッシャーもハンパではない。そんな中、マヤから突然「コンペを途中棄権する」との発表がある。今の自分では最後までやり抜くレベルにないと思ったと言うのだ。仲間のデザイナー達は唖然とするが。気を取り直して作業を続ける。マヤの代わりに、前回脱落したアンソニーが呼び戻され、6人でコンペは続けられることになった。また、セスのモデルのヴァレリアが別の仕事のオファーを受けたため、急きょキャリーにモデル変更となるハプニングもあり、皆なかなか集中できない。


1

ハイジとティムの進捗チェックが入る。ジェイは「お尻が大きく見えないように」とアドバイスを受けるが、結局自分の最初の直感を押し通す。ジョナサンはハイジのリクエストを受けてデザインを変えるが、うまくいかず、作業終了時間直前に一からやり直す。


2

波乱ずくめの今回、ジェシカ・アルバをゲスト審査員に迎えて審査会が行われる。










3

好評だったのは前回脱落にもかかわらずエレガントなドレスを作り上げたアンソニー、光る素材を見事に扱ってドレスを構築したエミリオ。









4

セスは無難すぎる、ミラはレッドカーペットドレスとしては見栄えがしないと不評。さらに不評だったのはアドバイスを無視したジェイと、時間がなくてずさんなドレスになってしまったジョナサン。








5

結果はエミリオとアンソニーのダブル優勝。アンソニーの服はジェシカ・アルバが着てくれることになる。脱落はジョナサン。











みなさん、こんにちは!


今回は波乱の展開でしたね〜。マヤのリタイアはちょっと衝撃的。あんなに才能があって、作品の評価も高い彼女だっただけに、非常に残念でした。ファイナル6まで残れたことは確かな技術とセンスがあってのこと。だけど、その反面相当のプレッシャーと戦っていたのでしょう。自分のフィールドで技術力を高めて、また戻れるなら違うシーズンに出場してほしいですね。


そしてそしてアンソニーの復活! またあのお茶目なアンソニーに会えるなんて! こんなシリアスな展開だからこそ、おもしろキャラにぱっと明るくしてもらいたいところです。


さらにハプニングだったのが直前のセスのモデル交代。とはいえ、モデルのハプニングはファッション業界ではよくあること。オファーしていた撮影直前にCMのキャンペーンが入ってキャンセルされたりとか、ビザの問題で日本に来れなくなったとか。ブランドの広告や雑誌の撮影が重なれば、ひとりのモデルを取り合う事もしばしば。なので、大事な撮影の際は予備のモデルを用意しておくことも重要だったりするのです。


さて、そんないつもとはひと味もふた味も違った今回。優勝もなんとふたり! しかも戻ってきたアンソニーが…! サプライズ満点だった今回の優勝作品を振り返ってみましょう。


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☆ 優勝したエミリオ、アンソニーの作品の注目ポイント


エミリオの優勝に加え、ジェシカ・アルバの熱烈オファーによってアンソニーも優勝となった今回。ふたりとも流れるような美しいシルエットのドレスを作り上げていましたね。シャイニーなコッパーブラウンの生地で仕立てたエミリオのドレスは、抜群のフィット感が魅力。360度どこから見ても仕立てが良く、ショルダー部分にあしらったリボン風のディテールも遊びが効いていました。さすがファイナリスト最有力候補でもあります。


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そしてアンソニーのドレスは、白×黒のバイカラーデザインが最高にクール。モダンアートの斬新さにクチュールのエレガンスが加わったような、見る者に深く印象を残すドレスだったと思います。ときどき生地の選び方を間違えてしまう彼ですが、今回のドレスは完璧。生地の控えめな艶がラグジュアリーな雰囲気を醸し出し、ドレスのシルエットを際立たせていました。私の今回の「極私的お気に入りルック」ももちろんこちら! こんなドレスを身に纏ったら、パーティで視線を集める事間違いなしですね。

2011.12.18|第7シーズン|コメント(2)トラックバック(0)

#10「いかすぜ!マイプリント」

ハイジに「生地を選ぶだけじゃ済まない」と言われ、ワークルームへ行ったデザイナーたちを待っていたのは「生地をデザインする」という指令。その生地を核とした服をデザインするのがテーマだと言い渡される。


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そこから1時間で生地をデザインし、翌朝それがプリントされて手元に届くことに。ほとんどのデザイナーは生地のデザインが初めてで、みな思い思いにパソコンに向かって柄を描き始める。その後、予算百ドルで追加の生地を買いに行き、作業期間2日間でデザインがスタート。


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アンソニーはエッジーな服にしようと人生で初めてジャケットを作ってみるものの、モデルにまったくフィットせず結局ボツにして、あえなく作り慣れたミニのボレロに変更。自分自身をブランド化することを狙ったエミリオは、自分の名前をあしらった生地を作るがティムに理解されない。ミラからも陰で酷評されるているが、エミリオ本人は自信たっぷりで手応えを感じている。


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普段プリント生地を使わないマヤにとっては、立体感を出しにくいプリント生地は難関で、いまだ優勝経験がない焦りも手伝ってプレッシャーを感じているもよう。ジョナサンの服は「何もかもが薄くて青白い」とアンソニーが批判。ミラの服も「テントみたい」とエミリオが冷笑するが、みなそれぞれ自分の生地とデザインには自身を持っている。


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デザイナーのヴィヴィアン・タムを迎え、ランウェイでショーが行われる。好評だったのは、シグネチャーとなる柄が絶賛され、ジャケットとドレスも美しかったエミリオ。奇抜なプリントと色の組み合わせで自分らしくチャーミングな服を作ったセス、動きを感じさせるプリントが今回ナンバーワンと評されたマヤ。


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不評だったのが、面白みのないプリントで1970年代の服だと言われたミラ、言い訳ばかりでひとつ覚えのシルエットを飾っただけのドレスだったアンソニー、ディスコ風拘束服のようなジャケットと汚れたテーブルクロスのような柄で悲しい服だと酷評されたジョナサン。


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優勝はエミリオ、脱落はアンソニーとなる。








みなさん、こんにちは!


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今回でついにアンソニーが脱落してしまいましたね。ぷりぷりムチムチしていたアンソニーのあの姿がもう見れなくなっちゃうなんて、ちょっとさみし~い。自虐ネタも笑えたのに……! こうなると今までよりも一層デザイナーたちのシリアス度が高まりそう。残すところ僅か2回でファイナリストが決定しますし、次回からはさらに見逃せない激戦が始まりそうですね。


さて、そんなアンソニーを撃沈させた今回のテーマは、オリジナルのテキスタイル作り。クリエイティビティ溢れるデザイナーならば、誰もがトライしたいと思うテキスタイルの制作。


デザイナーにとって生地は、デザインを形にする上でとっても重要な素材。といってもみんながみんなオリジナルの生地を作れる訳でもなく(コストと手間がかかり、ロット数も多くしなくてはいけないので)、年に数回世界各地で開催される生地や繊維の見本市、展示会(世界的に有名なのはパリで毎年二回開催される「プルミエール・ビジョン」ですね)などで次シーズンの素材を選ぶことが多いようです。


生地にもトレンドがあって、特にプリント柄に関しては鮮度が命。まさにハイジが審査会冒頭でいっつも言う「今日流行ったものも、明日には消える!」なんですよ。今年だけでも、ボタニカル柄やドット、スター柄などが流行りましたが、来年にはロマンティックの波に乗って、カラフル&ポップなフラワープリントやアフリカントライバル、幾何学模様などが流行る感じ。定番柄でさえも毎年色や形を変え、ブラッシュアップしていっているのです。


そんな、時々のシーズンを表し、ひいてはブランドの顔ともなるテキスタイルは、デザイナー誰しも自身で生み出したいと思うもの。しかし、ファッションデザインとは微妙に異なり、テキスタイルは平面を構成するため、美しい色柄でもバランスや配置、発色によって秀作にも駄作にもなり得るのです(通常はテキスタイル専門のデザイナーが制作しているくらいですからね)。今回の「プロジェクト・ランウェイ」でも、それらの点にデザイナーたちは戸惑っていた様子。ロール状に巻かれた生地そのものではなく、服になった状態で初めて色柄の魅力が花開く、そんなテキスタイルが私は一番素敵なのではないかと思いました。果たしてそこまで想像力を働かすことができたデザイナーがいたのでしょうか?


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。


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☆ 優勝したエミリオの作品の注目ポイント


前回に引き続き、今回も優勝したエミリオ。優勝候補として着々と頭角を表してきてますよね。いやいやしかし、ティムがつっこんだとおり、esosa(イー・ソーサ)には見えなかったなぁ(笑)。せめてeを大文字にすればもっとわかりやすかったのに。。みなさんも放送を見ていて、そう突っ込んだ方、多かったのではないでしょうか? とはいえ、洋服になったときのポップ感、力強さは素晴らしい。しかもこんなストリート感のあるグラフティプリントで40年代のシルエットを作り出すなんて、エミリオのミックス感覚に脱帽です。それも確かな仕立ての腕があるからなんでしょうね。これが少しでも崩れた仕上がりだったら、プリントも台無しになっていたでしょう。


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☆ 極私的お気に入りルック


◆ マヤのプリントドレス


ニーナに「盛り込み過ぎ」と言われたものの、審査員全員からプリントの美しさを絶賛されたマヤのドレス。赤とワントーン落としたオレンジで平面のプリントに立体感をもたらし、色柄にメリハリをつけたのが良かったのでしょうね。全面で取り入れるとうるさくなりますが、フロントのセンター部分にしわ加工を施した生地を取り入れ、さらなる立体感とコントラストを出したのも高ポイント。ヘアをもっとタイトにまとめて引き算をすれば優勝間違いなしだったはず!


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さて、今回も番組最後にマイケル・コースのインタビューが放送されました。チェックいただけましたか? 今回のテーマでは、ジョナサンにかなり辛辣なことを言っていたので「カチン」ときた人も多かったはず(ええ、私がそうだったんです)。でも、インタビューでは驚くほどソフトな印象で拍子抜けしちゃいますよね。今後も自身のデザイナーとしての考えやファイナリストたちへの想いを語ってくれるそう。次回もどうぞお見逃しなく!


そして番組HPの「マイケル・コース来日レポート」内ではマイケル・コースからのメッセージがUPされましたのでこちらも是非ご覧下さい。

2011.12.11|第7シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

#7「お硬いドレス」

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デザイナーは10人に絞られ、皆、競争の激化を覚悟する。今回の出題者はマイケル・コース。枠を超えた作品が見たいということで、金物店でショッピングをし、その材料で斬新な服を作るのがテーマだ。またアクセサリーも作る事が義務づけられる。


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金物店では、金属シートを材料に選んだ者が多かった。エミリオは予算オーバーのため、かなり材料を減らすハメに。









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パーソンズへ戻ってからの作業は、カナヅチを打つ音が鳴り響き、いつもと勝手が違う。皆の指も傷だらけ。慣れない素材に悪戦苦闘している。ジェイはゴミ袋でレザー風パンツを作るが、縫ってる間に縮んでしまい、モデルの足に全然入らない。果たして審査会までに修正できるのか。エミリオはワッシャーとヒモでマクラメ・ドレスを作ろうとするが、材料不足でビキニにするしかなくなる。


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いよいよ審査会。ゲスト審査員はデザイナーのイザベル・トレドとジュエリーデザイナーのスティーヴン・ウェブスター。




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好評だったのはハードな素材をうまく使ったミラ、ゴミ袋とは思えない完成度のジェイ、ネックレスが秀逸だったマヤ。









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不評だったのは、安っぽいラスベガスのショーガール風になってしまったエミリオ、ブリキ男かバレリーナのようなコスチュームっぽい服になってしまったジェシー、金物ではなく普通の生地で作ったように見せようとするあまり、今回のテーマのポイントを見失って面白みのない服になってしまったアンソニー。





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優勝はジェイ。プロジェクト・ランウェイでは過去に何度かゴミ袋で作った服が出てきたが、彼の作品は最高だと賞される。脱落はジェシーとなった。











みなさん、こんにちは!


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今回は金物店の材料で作る斬新な服がテーマ。過去にも新聞紙やゴミ袋、イモ袋など、多彩な材料が課題として登場しましたが、今回は金物店で販売されている物!! 膨大な種類の中から服として使えるものを上手にチョイスする必要がありましたよね。特に、マヤの鍵をうまく使ったネックレスやエイミーのサンドペーパーで仕立てたドレスは、素材のチョイスと使い方が秀逸。大胆さとさりげなさが共存していて、とてもおしゃれだと思いました。



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逆に、どうしちゃったの? という感じだったのがエミリオ。いつもは冷静沈着で仕上がりのよい服を着実に作り上げる彼なのに、今回は人と違う物を追求するあまりハズシちゃったようですね。あきらかにワッシャーは少なかったし、たとえ足りたとしても繋ぐ紐が細過ぎて編み込むには相当な時間が必要だったはず。そしてハイジが言っていたようにテキスタイルが見えなかったのも×。でたらめに繋げているようで、チープな印象を受けました。とはいえ、素材の着眼点や色の取り入れ方はいいセンス。一見、マシュー・ウィリアムソン(第3回のゲストとしても登場した英国人デザイナー)の革新的かつ女性らしいコレクションの一部を見ているようで、ハッとさせられたりもしました(クオリティは遠く及びませんが!)。


さて、今回の金物店の材料で思い起こされるのが、'60年代後半にセンセーションを呼んだファッションデザイナー、パコ・ラバンヌ。近未来的かつアーティスティックな彼の作品は、メタルやプラスティック、紙などの無機質な素材を洋服に用いたことでも知られています。ワッシャーのような金属盤をつなぎ合わせたミニドレスから、プラスティック片を貼りつけたジャケットまで、今回のテーマにも共通する斬新なアイテムも多数発表されました。


彼にとってこうした服作りは、無機質なもので仕立てた服を有機体である人間の体に纏わせることで、現代社会での“武装"をイメージしたのだと言われています。時は、第三次中東戦争勃発、ベトナム戦争泥沼化のなか、アポロ11号が人類初の月着陸を果たした時期。ダークな世相のなかで宇宙への希望が持て囃された時に、表舞台へと進出し始めた女性のための“武装服"を作り上げたかったのでしょう。それは武装と言うにはあまりにも美しくも艶やかなクチュール作品でしたが、ファッション史における女性服の革命となったのでした。


そんな伝説的デザイナーを彷彿とさせる今回の課題。優勝者の作品を振り返ってみましょう。


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☆ 優勝したジェイの作品の注目ポイント


今回、業務用のゴミ袋を使ってビスチェとパンツを作り上げたジェイ。ビスチェは立体的なディテールを巧みに取り入れ、ストライプ柄が美しく映える一着に仕上げていました。ウエストに巻いたベルトも、まるでレザーを丹念に編み込んだような高いクオリティ。黒×ブルーの組み合わせもモダンな印象で、装いのインパクトを高めていましたよね。そしてなんといっても素晴らしかったのがパンツ。ボディラインに美しくフィットしたシルエットと斜めのボーダーディテールがクチュールを思わせる繊細な仕上がり。光沢をつけて素材に高級感を出したのもレザー風の風合いを感じさせ、目を引きました。


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☆ 極私的お気に入りルック


◆ エイミーのドレス


サンドペーパーを用いたエイミーのドレスは、ベージュとブラウンの使い方が絶妙。モデルのテラコッタ色の肌にマッチして、近未来的なサファリルックをイメージさせるようでした。特に注目したいのが胸元のディテール。プリーツ状にした素材を扇形に広げ、アクセントにボタンをオン。アシンメトリーの絶妙なバランスが、金物店の材料をモードにまで高めていました。スカート部分のハリのある質感も、トップスの細かなディテールの引き算役に。

2011.11.20|第7シーズン|コメント(1)トラックバック(0)

#6「ちいさなモデルたち」

今回は小さな女の子をモデルに迎えて、ファッショナブルな子供服を作るのがテーマ。子持ちのセスは子どもが着たがる物を知り尽くしているので余裕しゃくしゃくだが、子供が苦手なデザイナー達は苦戦する。


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作業終了までティムが一度も見に来ない。これは何かあるに違いないという皆の読み通り、翌朝ティムからサプライズの発表がある。「子供服と対になる大人服」が追加されたのだ。完全に子供服を想定していたため、大人用にどうアレンジしたらいいか悩むデザイナーもいれば、子供服の出来がイマイチだった分を大人服でカバーできると喜ぶデザイナーもいる。




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フィッティングに子供が登場すると、ワークルームはいきなりロンパールームと化し、大騒ぎだ。そんな中、何とか準備を整え、ランウェイでのショーが始まる。




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今回のゲスト審査員はトリー・バーチ。











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好評だったのはまずジェシー。ファッショナブルな中にユーモアのある子供服を作り、さらに仕立てのいいコートまで作り上げた。対になる大人の服はセクシーな仕上がり。もう1人はセス・アーロン。小さな女の子が欲しがりそうな、楽しくてエッジーなフード付きの子供服。大人服も同じテイストでモダンに仕上げた。もう1人はジェイ。ラッフルをモチーフにシックな親子の服を作り上げた。




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一方、不評だったのは、人と違うものを狙うあまり奇妙な色合わせに走ってしまったエイミー、シンプルすぎてつまらない服になったジャニーン、ゴテゴテさせすぎて「トイレットペーパーの竜巻」とマイケルに評されたジョナサン。







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結果は、優勝がセス・アーロン、脱落がジャニーンとなる。













みなさん、こんにちは!


今回はファッショナブルな子供服の制作。そして、その服と対になる大人服が第二のテーマとして設けられました。急なサプライズにデザイナー達はピリピリムードでしたが、ちびっこモデル達が大騒ぎするフィッティング風景は、ちょっと笑えるおかしな雰囲気でしたね! いつもクールなジョナサンから、あのおしゃべり好きのアンソニーまで、子供が苦手なデザイナーはみーんなお手上げ状態。「犬が77歳なの」「うちのお姉ちゃんは犬なの」なんて、子供の言いだすことは不思議ワールド全開です(笑)。でも、子供達のキャッキャとしたはしゃぎ声が響くと、作業部屋のシリアスな雰囲気が一気にやわらぐようで、見ている側も和やかな気分になりました。


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子供服の制作では、身体の凹凸が少ない分比較的スムーズに行われていましたよね。だから皆、自分らしい個性を出すことに注力できたのでしょう。しかし、あまりデザインに懲りすぎるのは子供服には逆効果。ファッショナブルでありながらも大人以上に機能性が重要だからです。特に、首元や腕回り、胴回りを立体的に作り上げたり、ストレッチ性の高い素材を用いるなど、子供の活発な動きを想定したディテールは必須項目。成長期を見越して、多少のサイズ変更に耐えうるサイジングも重要です。さらに、動き回る子供に母親が脱ぎ着させることを考えて、すとんとしたシルエットやスナップボタン、マジックテープを用いることも多いよう。最近では、子供の肌のことを考えて、吸汗速乾性の高い素材やオーガニックコットンを使うところも増えてきましたね。


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子供服は着ているだけで楽しくなるようなデザインも重要ですが、その他にクリアすべきポイントもたくさんある、なかなか奥の深い世界。今回はコンペなので、よりデザインに特化しているものの、リアルにママ層から支持を集めるなら、考え抜かれた機能性で勝負しないといけないのかもしれません。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。


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☆ 優勝したセス・アーロンの作品の注目ポイント


今回、子供が誰でも着たくなるようなポップで遊び心ある子供服と、ツートーンのジャケットでエッジの効いた大人服を作り上げたセス・アーロン。最初から迷いなく自分のデザインを突き進む姿は、吉と出るか凶と出るか見物でしたが、結果、審査員から絶賛され優勝に! 今まで何度か目にしてきたなかでも、今回の彼の作業ぶりは、他のデザイナーよりも頭一個分抜き出てるようなクオリティとセンスに裏打ちされていたようです。それもひとえに自身が子の父親であり、子供の好むファッションを誰よりも理解していたからでしょう。大人服も、ただ子供服を大人っぽくしただけではなく、テキスタイルやフォルムに彼らしい捻りを加えていたのが高ポイントでした。


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☆ 極私的お気に入りルック


◆ ベンの子供服&大人服


落ち付いたカラーリングとディテールで、ランウェイでは比較的目立たなかったベンの作品。でも、おしゃまな子供なら迷わず着たくなり、モダンな女性ならリアルに買い求めるであろう、ディテールに富んだアイテムを作り上げていました。子供服の淡いパープルと膝下のスカート丈は背伸びしたい女の子にぴったり。大人服のバイカラーブラウスは絶大な着回し力を発揮しそうです。さらに、これらのウェアの特筆すべき点はバックスタイルにもあり。子供服の裾はサイドの長さが異なるアシンメトリーのディテール。ところどころ細かなプリーツが入っているので、歩くたびにリズミカルにスウィングします♪そして大人服は楕円状に開いた背中部分が上品なセクシーさを誘っていました。実際にこんな親子がいたら、思わず振り返っちゃいますよね!

2011.11.13|第7シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

#5「表紙はいただき!」

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「写真で映える服」がテーマと言われ、デザイナーたちが連れて行かれたのは「マリ・クレール」編集部があるハースト・コーポレーションのビル。そこで「マリ・クレール」編集長のジョアンナ・コールズに引き合わされた彼らは、今回のテーマは4月号の表紙を飾る服だと聞かされる。優勝者の服は実際に4月号の表紙となり、それを着るのはなんとハイジ本人と発表があり、前代未聞の大きな特典に、みなテンション・マックスに。予算は150ドル、制作期間は1日。

ここで優勝して一気に知名度を上げたいデザイナーたちは、みな黙々と作業に集中し、ワークルームはいつになく静まりかえる。そんな中、セス・アーロンはひとり歌ったり喋ったりして他のデザイナーをうっとうしがらせる。また「前回2位だったのに誰も喜んでくれなかった」と気にしているミラは、心なく冷たい感じがみなをイラッとさせているもよう。


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ジャニーンは、自分の買った生地が「ブライダルっぽい」と気付き大パニック。服の方向性も見えないまま焦る気持ちだけが先走る。





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アンソニーも「ショート丈だがフォーマルなドレス」という所から先に進めず、ティムに心配される。










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アンナは経験が浅いにもかかわらず、シャツにベストにショートパンツという3点ものに挑戦。いざモデルにフィッティングしてみると、パンツがまったく合わず危機的状況に陥る。




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ジョアンナ・コールズを審査員に迎え、ランウェイでショーが行われる。







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好評だったのが、大胆な色の組み合わせで「自信がある女性の着る服」を作ったベン、「コスチューム時代は終わりだ」とマイケルに言わしめたモダンなドレスを作り、色のチョイスも良かったアンソニー、扱いにくいジャージーを見事に仕立ててディテールと色も良かったエミリオ。






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不評だったのが「マリ・クレール」の読者層と合わず、かみ合わない3点の服を作ったアンナ、ごちゃっとした服でハイジのイメージに合わないブライダル的なドレスを作ったジャニーン、色はぼやけグラフィックも妙で「自信を感じない服」と言われたミラ。






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優勝はアンソニー、脱落はアンナとなる。










みなさん、こんにちは!


今回は「マリ・クレール」の表紙を飾る服がテーマ。しかもそれを着るのはなんとハイジ! デザイナーたちもテンションMAXで挑んでいましたね~。そんななか優勝したのはアンソニー! (セス・アーロン風に言うと)“キュートなブラウン・シュガー”が初優勝とあって、いつも以上にみんなも喜んでいた様子。ライバルなのに何だか憎めないおちゃらけキャラ、それがアンソニーの魅力なんでしょう。私も彼のハイテンションなオネエっぷりが大好きなので、今回の優勝はちょっとうれしかったりして。この調子でどんどん突き進んでいってほしいです!


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さて、今回「マリ・クレール」の編集長、ジョアンナ・コールズが“人は売店に並ぶ雑誌に目をやり、3秒でどれを買うか決める。だから目を引き、個性的で押しの強いセクシーな服が必要”と言っていた通り、表紙の服は、雑誌自体の第一印象を左右する重要な要素。トップスにディテールがありながらもごちゃっとしないことや、服の上に見出しが印刷されることを考えて色を選ぶなど、大事なルールがいくつかあります。

季節感ある色使いも重要で、例えば、新緑の時期の5月、6月号はクリーンでオーガニックな白、グリーン、イエローを、秋冬ファッションの立ち上がりでもある9月、10月号ではオレンジやパープル、ブラウンなどの暖色系が採用されることが多いですね。どの号も毎回、背景の色や文字色、レイアウトを変えた数パターンを候補にし、吟味の上に吟味を重ねて一枚の表紙を完成させます。最終的な決定権は編集長にありますが、何人もの意見を、ときには部署を飛び越えて聞かれることもあり、それだけ多くの人の見る目に残る一枚に仕上げなくてはいけないのです。私たちが何気なく手に取る雑誌も、そうやっていろいろな事が考えつくされた上の結果。そう思うと、表紙を選ぶ楽しみも一層深まりますね。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。


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☆ 優勝したアンソニーの作品の注目ポイント


鮮やかなブルーがランウェイでひと際映えたアンソニーのドレス。私もこれが登場したとき、他のどの服よりも4月号の表紙にぴったりな華やかで美しい色だと思いました。何よりハイジの瞳の色を引き立て、可憐でゴージャスな雰囲気にマッチする素晴らしいカラーチョイスだったと思います。そして、何枚もの生地を重ねた帯状のディテールも見事。程よいボリューム感とすっきりとしたシルエットで、ボディラインも際立たせていましたね。


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☆ 極私的お気に入りルック


◆ ジェイのドレス


基本的にジェイがつくる作品が好みなのでお気に入りルックに選ぶことが多い私……でもこのドレスは、軽やかでドラマティックな動きが本当に美しかった! 表紙にするにはショルダー部分のディテールがちょっと凝り過ぎですが、レッドカーペットに登場するカクテルドレスとしても遜色ないクオリティでした。モデルのモニークのアフリカンゴージャスな雰囲気ともベストマッチ。素材感にオーガニックな雰囲気もあって、春や初夏のガーデンパーティなどで着てみたいですね。

2011.11. 6|第7シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

#4「ハートのドレス」

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今回のテーマは、心臓病克服運動の一環でキャンベル・スープ・カンパニーが行っている「アドレス・ユア・ハート・キャンペーン」のシンボル・ドレスを作ること。このドレスはNYファッションウィークのガラ・パーティで着用される。条件が幾つかあり、色はテーマカラーである赤を使用すること。また、キャンベルのブランドロゴをどこかに取り入れること。また、今回モデルを務めるのはいつものモデルではなく、心臓病と闘う女性達だ。デザイナー達は、彼女たちの闘病経験を聞きモチベーションが高まる。また、優勝作品はファッションウィークのガラ・パーティでお披露目され、プロジェクトランウェイ・ドットコムで販売されるというので、皆、がぜんやる気を出して臨む。


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一般の等身大女性がモデルということで、いつもと勝手が違い、皆フィッティングに苦労する。また、病気と闘った彼女たちをハッピーにさせてあげたいと思うあまり、リクエストを聞き入れすぎて自分のデザインの方向を見失う者まで出る。セスは、その点をティムに指摘され、残り時間も少ない時点で一からやり直すことを決意。大急ぎで何とか仕上げに間に合わせる。


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審査会当日。「マルケッサ」のジョルジーナ・チャップマンをゲスト審査員に迎えてショーが行われる。






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好評だったのは大胆にキャンベルの星マークをあしらったミラ、生地の扱いが見事だったエイミー、意外性があって目を惹きつけるドレスを作ったマヤ。








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不評だったのは、悲惨なジャケットを作ってしまったジェシー、テカテカでミニ丈、タイトシルエット、さらにクリスタルのストラップと、安っぽくなる要素を網羅してしまったヘスース、若々しいセンスは見せるものの、テーマに合わないドレスを作ったアンナ。






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優勝はエイミー、脱落はヘスースとなる。













みなさん、こんにちは!


今回は心臓病克服運動の一環「アドレス・ユア・ハート・キャンペーン」のシンボル・ドレスを作るという、社会的な題材がテーマでした。デザイナー達はモデルとなる心臓病経験者の女性達の話を聞いて、服作りへの想いを一層強めたよう。困難な経験を乗り越えた彼女たちを晴れの舞台で美しく輝かせたい、そんな気持ちが作品いっぱいに込められていましたね。


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いつもならばスタイル抜群のモデルたちが着こなしますが、今回は一般の女性ということもあって体型はさまざま。でも、肌の色も髪の毛もプロポーションもバラバラな女性にドレスを仕立てるというのは、デザイナー達にとって、とても重要な経験となったことでしょう。いつものように自身の作品作りに集中すれば良いのではなく、どんな女性でも美しく見せるセンスと技術を披露しなくてはいけないのですから。すなわちそれは、ファッションブランドとして世に出た際に一番問われる部分でもあるのです。


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そして“テーマカラーの赤を使用する”“キャンベルのロゴプリントを取り入れる”という条件も今回のテーマの重要なポイント。ひとえに赤と言っても、朱赤、ダークレッド、チェリーレッド、緋色……と、赤はとにかくバリエーションが豊富。モデルとなる女性に合い、レッドカーペットにもマッチする上品な色を選ばなくてはいけません。また、ロゴのあしらいもドレスの仕上がりを左右するディテール。モダンアートとして登場するくらいポップなキャンベル・ロゴは、本来、ガラ・パーティに着ていくようなエレガントなドレスとは相反するテイスト。それをうまく使い、ドレスをいかに魅力的に見せるかが勝敗のカギとなっていきます。

それらの点でやはり素晴らしかったのは優勝者のエイミーやミラ。それぞれの肌色に合う赤は高級感を演出し、目に留まるポイントに配しながらもさりげないロゴは、ドレス全体に軽快感をもたらしていましたね。


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逆に、残念だったのはアンナ。彼女って控えめな性格がそのまま出たようなおとなしいデザインが特徴ですが、今回はそれが裏目に出たみたい。下に重ねた微妙なベージュの生地、カッティングの中途半端なレーサーバック、大きな袋を縛ったような妙なシルエットと、すべてのバランスが悲劇的(マイケル・コース的言い方(笑))。特に、ロゴをトレースしたアイデアは良かったのにベルトに配するという面白みもなんともない扱い方にはがっかりさせられました。放送を見て思わず「そこに使うんかーい」と突っ込んじゃったくらい。せっかく透け感のある生地でロゴを品良く出したのだから、ヘムラインにあしらってリズミカルな動きを付けるとか、いかようにも出来たはず。彼女にはもっと大胆なアプローチで挑んでもらいたいものです。モダンで若々しい感覚を持っているのに、もったいない!


というわけで、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。


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☆ 優勝したエイミーの作品の注目ポイント


先ほども述べましたがエイミーのドレスは、赤色のチョイスとロゴのディテールがパーフェクト。それに、胸元&胸下の切り替え部分の、生地をねじったようなディテールもおしゃれでした。生地を何層にも重ねたことで優雅な動きもプラス。今回のゲスト審査員、ジョルジーナ・チャップマンによるブランド「マルケッサ」のテイストに少し似た雰囲気も感じられました。特に、イブニングガウンを得意とする「マルケッサ」で評判の高いシフォンのドレスに通じるような、美しいドレーピング。だからこそ審査員にも伝わりやすかったのかもしれません。ガラ・パーティのドレスに相応しい気品と華やかさを備えていましたね。


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☆ 極私的お気に入りルック


◆ マヤのドレス


ジョルジーナに「もう一度見たいと思わせるドレス」と言わせたマヤのドレスは、何といっても生地をたっぷりと使ったリッチなドレーピングが特徴。シルエット自体はシンプルなのに、独特のドレープによって唯一無二の存在感を出していました。特に気になったのは赤に反するように用いたブロンズ色。モデルとなった女性の肌を引き立てながらも、ドレスの赤色にシックなニュアンスをプラスし、ぐっとエレガントな雰囲気に。差し色に白や黒を用いるデザイナーが多かったなかで、このカラーバランスにははっとさせられました。

2011.10.30|第7シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

#3「ハイエンドとローエンド」

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「ファッション・アイコン」が集まっていると言われ、デザイナーたちが連れて行かれたのはメトロポリタン美術館。コスチューム・インスティテュートが収集した名だたるデザイナーたちのドレスを間近に見て、みな感動する。今回のテーマは、このコレクションに入れても遜色ないハイエンドなシグネチャー・ルックのデザイン。2人ひと組のチーム戦で予算は5百ドル、作業期間は2日間。


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ピンとジェシーのペアは生地を買う段階からモメ始める。話をきこうとせず、自分のペースで進めてデザインを変えていくピンに、ジェシーはいらいらをつのらせる。




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アンナは経験豊富なエミリオに気後れしている様子。










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ジョナサンは、リーダーのミラがコートのデザインに集中してあとは自分に丸投げなのを不満に思っている。

2日目の朝、突然ティムがワークルームにやってくる。シグネチャー・ルックに加え、予算50ドルで廉価版を作れと言うのだ。しかもその廉価版は他のペアのシグネチャー・ルックを元にして展開しろとのお達し。デザイナーたちはショックを受ける。


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ジェシーはピンが2着目のために買ってきた生地も「安っぽくて娼婦みたい」と不安が隠せない。前回優勝で審査免除のジェイと組んだマヤは、ジェイが「審査免除に寄りかかって手を抜いている」とイライラ。セスとアンソニーも2人の妥協点を見つけるのに苦労している。


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審査会当日。マシュー・ウィリアムソンをゲストに迎えてショーが行われる。好評だったのはモダンなシグネチャー・ルックと、元の服を越えたクオリティーの廉価版を作ったジェイとマヤのペア。それから、廉価版は不評ながらもシグネチャー・ルックのアンサンブルが好評だったミラとジョナサンのペア。


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不評だったのが、手は込んでいるもののちぐはぐなシグネチャー・ルックとフィット感もなくつまらない廉価版を作ったピンとジェシー。及び、コスチュームっぽいシグネチャー・ルックと安っぽい廉価版のアンソニーとセス。


優勝はミラ、脱落はピンとなる。







みなさん、こんにちは!


今回はハイエンドなシグネチャー・ルックがテーマでした。しかも2人1組のチーム戦! 過去の「プロジェクト・ランウェイ」からすると、チーム戦は何かしらトラブルが起きるのがお約束。特に今回はピンの極度のマイペースぶりとジェシーの批判的な態度が最悪のコンビネーションでしたね。まれにみる相性の悪さは、見ている側も何だかもやもや、イライラ。しかし、言い合いがたび重なるともはや茶番のようで、逆におもしろかったのですけど(笑)。


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さて、今回デザイナーたちが目にしたコスチューム・インスティテュート収集によるアイコン作品の数々、美しかったですね~。クリスチャン・ディオールにバレンシアガ、イヴ・サンローラン、そしていまだに多くのデザイナーに影響を与え続ける伝説的デザイナー、マダム・グレまで! クチュールメゾンの華やかなりし時代の艶やかでエレガントなドレスたちは、モードの真髄を教えてくれます。


そんな数々の作品を収集しているコスチューム・インスティチュート。NYのメトロポリタン美術館内にある衣装研究所のことで、毎年さまざまなファッション、コスチュームにまつわる展覧会を実施しています。同研究所といえば、毎年5月頃に開催される「コスチューム・インスティテュート・ガラ」が有名。この時期に開催される展覧会の前夜祭として行われるファッション界恒例の一大イベントなのですが、訪れるセレブの豪華なファッションにも毎年注目が集まっています。私もこのイベントの記事を書くたび「あぁ初夏が始まる…」と思ってしまうほど風物詩的存在。


パーティに集うのは、注目のイットセレブからアーティスト、女優、デザイナー、ソーシャライトまで実にさまざま。このパーティに呼ばれることはトップセレブの特権でもあり、ファッション界から注目されていることの証。なので、みなこの日のために選んだハイメゾンの最新コレクションやヴィンテージを身に纏い、気合満点でレッドカーペットを踏むのです。とはいえ、ベストドレッサーがいればワーストドレッサーがいるもの。気合が入り過ぎておかしなファッションになっている人もいるので、ゴシップとしての見所も満載。この時期のセレブスナップは見逃せませんよ。


肝心の展覧会の内容はというと、アメリカ女性のファッションの歴史を紹介する回やミューズとしてのモデルにスポットを当てた回など、毎年多彩なテーマ。今年は故アレキサンダー・マックイーンの回顧展として彼の作品が展示されました。デザイナーであれば、このコスチューム・インスティテュートに収集されるのは大いなる夢。その時代の気分を読み取りながらも革新的で一歩先を行くモダンなファッション……それを突き詰めた先のほんの一握りにだけ許されているのですから。それだけに、今回のデザイナーたちの思い入れも相当強かったことでしょう。彼らの個性とともに、ペア制作で生じたいろいろな思惑も孕んだ作品たち。何だか見ている側もいつも以上に力が入る内容でした。


では、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。


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☆ 優勝したミラ&ジョナサンの作品の注目ポイント


他のデザイナーたちがドレスルックを多く手掛けていたのに対し、唯一ジャケット+パンツで挑んだふたり。特に白のラインが入ったジャケットはユニークなフォルムとデザインが評判を呼びました。ゲストのマシュー・ウィリアムソンは「スポーティな雰囲気」と言っていましたが、私には何となく和の羽織ものと燕尾服をミックスしたようにも感じられました。過去と未来が融合した不思議な存在感。裏地に鮮やかなイエローを配したのも、サプライズ感があって素敵でしたね。コレクションピースとしてリアルにバーニーズに並んでいてもおかしくないかも!


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☆ 極私的お気に入りルック


◆ ジェイ&マヤのドレス


デザイナーの中でも確かな腕をもつふたり。ジェイの構築的なデザインにマヤのエッジの効いたセンスが融合され、エレガントなドレスが誕生しました。特にショルダー部分の立体的なあしらいは、花びらを何層にも重ねたような繊細な仕上がり。ともするとコスチューム的になりかねない斬新なあしらいですが、裾元までゆるやかにつなげたおかげでドレスのラインを形づくるディテールとして機能していました。モデルのヘア&メイクも相性抜群。ダークな雰囲気にどこか官能的なニュアンスを感じさせる、美しい作品でした。


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☆ <廉価版>極私的お気に入りルック


今回突如お達しのあった廉価版の制作。いつもながら急過ぎるだろーとティムに突っ込みをいれつつ、短時間とはいえなかなかクオリティの高い作品がいくつかありました。なかでも私が気に行ったのはヘスース&エイミーペアのトップス+パンツの組み合わせ。あのピン&ジェシーペアのシグネチャー・ルックを元にしないといけないなんて可愛そう…と思って見ていたのですが出来上がった作品は、彼らのルックをはるかに超えた完成度。モダンななかにリラックス感があって、流れるようなドレープが美しかった!

2011.10.23|第7シーズン|コメント(1)トラックバック(0)

#2「イモ袋でパーティーへ!」

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デザイナーたちが今回連れて行かれたのは農場。中に入ってみると、畑の真ん中にティムとジャガイモを入れる麻袋を着たモデルたちが待っている。今回のテーマは「イモ袋を使ってモデルたちが業界のパーティーに着て行くためのドレスを作ること」。しかもクライアントのモデルたちがデザイナーを選ぶことになる。


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第一回で組んだデザイナーを選ぶモデルが続く中、突然アレクシスがミラをやめてアンソニーをチョイス。しかも最後まで選ばれなかったミラは面白くない。モデルと相談しつつ飾りを選んだデザイナーたちは、パーソンズへ戻って作業を開始する。今回の作業期間は一日。


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目が粗くゴワゴワした麻から、パーティー用の服の高級感を出すのは至難の業。生地を染めたデザイナーたちは時間との闘いになる。しかし、パメラは「ぼかし染めは得意だ」と自信満々。ティムチェックでツーピースにすることを提案されても「作業は充分進んだ」とワンピースのままでいくことにする。イモ袋をただのベースとして使い、表面をすべてリボンで覆ったヘスースも「テーマの意図と違う」と懸念を示されるものの「上品で自分らしさが出たデザイン」とそのまま進める。


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モデルのフィッティングでアンソニーは注文の多いアレクシスに頭を悩ませる。ミラは、服を気にいってくれたロレーナに胸をなでおろし、アレクシスに選ばれなくてかえって好都合だったことを喜ぶのだった。真夜中の終了時間が近付き、ジェイはスカートの生地が思った色に染まらなかったことに驚愕。焦りが隠せないまま、その日の作業は終了になってしまう。


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審査会当日。ローレン・ハットンをゲストに迎え、ショーが行われる。好評だったのは手が込んだ作業で麻袋に軽さと高級感を与えたジェイ、フューチャリスティックな方向へ持っていった意外性が好印象のミラ、オーガニックな質感を残しつつセクシーでフェミニンなドレスに仕上げたエイミー。


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不評だったのは、モデルのお尻を強調し洗練されてもいないワンピースだったパメラ、丈が短くモデルのお尻が丸見えの服だったピン、テーマから外れた上に古臭い服となったヘスース。








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優勝はジェイ、脱落はパメラとなる。













みなさん、こんにちは!


今回のテーマは“イモ袋でつくるドレス”! しかも、モデルが業界のパーティーに着て行くことを前提に仕立てなくてはいけないという、難易度高めの課題でした。確かに真の美人ならイモ袋を着てたって美しいはず……とは思いますが、まさか本当にイモ袋のドレスを着させるなんて! ユニークな発想からデザイナーの力量を探る、これぞ「プロジェクトランウェイ」なテーマですね。

イモ袋に使われている麻は、もともと吸汗速乾性に優れた夏の素材。コシのある独特の質感は清涼感を与え、近年人気の“エコファッション”にも多く使われています。ざらっとしたオーガニックな風合いはデザインに軽やかさをプラスしますが、それと同時に扱いにくいのも事実。特に縫製や染色にいたっては、繊維の目が粗く不揃いなため、均一に仕上げるには高度な技術を必要とします。

うまく仕上げればモダンかつリラックス感ある一着になるので、麻素材はまさに力量が試されるところ。ナチュラルな風合いを活かしつつ、いかにラグジュアリーにもっていくかが今回の重要なポイントのように思います。麻はそのまま使えばラフさが際立ちますが、異素材と組み合わせるとぐっと洗練された雰囲気に。レースやチュール、ビジューなど、麻と対極にある、しなやかかつ輝きのある素材が特に相性が良いですね。


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そんなディテールの好例となるのが、レースのカットワークをセンターにあしらったジョナサンのドレス、リボンとレースをテープ状に用いたエミリオのドレス、メタリックな紐でシャープなラインをつくったミラのドレスではないでしょうか。こんな風に対極にある素材で麻とのコントラストを出すことにより、風合いがさらに際立ち、ワンランク上の魅力が加わるのです。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。


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☆ 優勝したジェイのドレスの注目ポイント


今回、麻の素材感を活かしながら見事にラグジュアリーかつトレンド感ある一着に仕上げたジェイ。特に荒い繊維部分を毛羽立たせたフェザーのようなあしらいは最高! 麻に“ゴージャス”なんて言葉、マッチしないと思っていたのに、彼のドレスはまさにゴージャス。地味になりがちなダークカラーの麻素材にライトブルーのパイピングも憎い! これがあることで若々しい軽快感がさらにアップしていました。


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☆ 極私的お気に入りルック


◆ アリソンのドレス


アリソンのドレスを初めて見たときに思ったのは「あ~そうきたか!」という感じ。他のデザイナーが麻の土臭さを消すことに必死だったのに対し、彼女のドレスはその風合いを全面に活かし、さりげない工夫加えることでモダンに昇華していました。何だかひょいっと簡単にクオリティを高みにまで引き上げてしまったような、そんな印象。それは、生地の先端だけをグラデーション状に染色したディテールや立体感あるフォルム、胸元のドレープに見て取れます。シンプルな技術ながら、それらがバランスよく組み合わされたことで、麻の特性を引き立てていました。ホルターネックとウエストに配したリボンも引き締め役に。華美にするだけではない、引き算の美学が活かされた上品な一着でしたね。

2011.10.16|第7シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

#1「自己紹介デザイナー風」

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L.Aから古巣のN.Yへ舞台を戻した第7シーズン。お馴染みのアトラス・アパートメントには出場デザイナーが続々と集まってくる。屋上でハイジとティムと合流しシャンパンで乾杯した翌日、彼らはティムの待つセントラル・パークへ。そこにはムード・ファブリック提供の生地が数え切れないほど並べられていた。

初回のテーマは「自分自身を表現する服」。3分で自分好みの生地を集められるだけ集めた彼らに、ティムは「その中からワークルームに持って帰るものを5つ選べ」と話す。そぎ落とす能力を試され、各自5つの生地を素材として持ち帰る。今回の作業期間は1日。

初めての課題と時間制限に焦りを見せる彼らの元にモデルたちがフィッティングにやってくる。そして毎回恒例のティム・チェック。


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独自路線を貫くピンは家でやっている通り自分で服を着てフィッティングしている。ティムに客観性を保てるか聞かれると「いつも自分が着たい服しか売らない」と自信満々。




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セスは縫い目をわざと見せたジッパーを心配されるが「これが俺のスタイル」と譲らない。






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一方、ジャニーンは生地の選択を誤り、縫製のあらが目立つと指摘されて、終了2時間前に作り直すことを決意する。









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また、アンソニーは切り替えの案に難色を示され花柄の生地だけでいくことを決める。










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フィッティングでモデルの背丈とイメージを見てミニドレスを急遽ロングに変えたヘスースは、ミニ丈のシームが目立つと言われるが「僕は気にならない」とそのままでいくことにする。




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審査会当日。ニコール・リッチーをゲスト審査員に迎え、ショーが行われる。ランウェイに残されたデザイナーは6名。好評だったのが、フレッシュで売れる服をつくりスタイリングも見事だったセス、自分がどんなデザイナーか強く表現したピン、シンプルな形ながら実は見事な技術が施されたドレスをつくったエミリオ。不評だったのが、生地の質感とドレスのシルエットがちぐはぐだったアンソニー、もたついた服にショート丈部分のシームがやはり指摘されてしまったヘスース、仕上げの甘さが目立ち洗練された部分もなかったクリスティアン。


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優勝はエミリオで次回審査免除となる。
脱落はクリスティアン。













みなさん、こんにちは!


先シーズンに引き続き、今シーズンもブログを担当しますエディターの前坂理恵です。ストーリーのなかの注目ポイントと作品についてを、エディター的目線に私的コメントを交えてご紹介させていただきます。今回もどうぞよろしくお願いします!


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さて、いよいよシーズン7がスタートしました。今回もまた個性的なメンツが勢揃い! ひと波乱呼びそうな見るからに濃いキャラは少なめですが、回を重ねるごとにそれぞれの本性も暴かれていきそうですよね。ティムが冒頭で「これほど強い革新的スピリット、そして多岐に渡る視点を持つデザイナーが集まったのは番組史上初」と言った通り、今回は全体的にハイレベルな戦いになりそう。過去シーズンよりも技術力が高く、コスチュームライク過ぎたり、エキセントリック過ぎる自己満足系は見当たらない気がします。


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みなさんは気になるデザイナーがいましたか? 今シーズン唯一のオネエ系キャラでムードメーカー的存在になりそうなアンソニー、のっけから「僕に注意して」の自信満々発言で苦笑を誘ったヘスース、男っぽいエッジの効いたキャラで俺流スタイルを貫くセス、体の動きにあわせてつくる独自のデザイン哲学をもったピンなどなど、このあたりの面々は今後何かしらおもしろい展開を呼びそうですよね。




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最初の自己紹介シーンと最後の作品を見て、私が気になったデザイナーは4名。イラン系のルーツにモードなエッセンスを取り入れたエイミー、パーツを組み立てた構築的なドレスが素敵だったジェイ、コスチュームデザイナーとして確かな腕をもつエミリオ、ディテールのバランス感覚が絶妙なマヤ。それぞれ自分のスタイルを持ちながらも女性に着たいと思わせる、美しい服をつくっていたと思います。


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とはいえ、ファッション界は常に革新的で新しいセンスをもつデザイナーを求めているもの。そう考えれば、第一回で頭角を表したのはピンではないでしょうか。理学療法士として働いている彼女は体の動きを熟知した生地のあしらいがかなり斬新! 今回のゲスト審査員、ニコール・リッチーに「着てみたい! すごくいい」と言わしめるほど、ランウェイでの注目度は高かったですよね。正直、制作途中は布切れをただ丸めただけで完成品とは程遠い雰囲気を放っていましたが、モデルの体に通してみるとあら不思議。動くたびにドレープが軽やかに動く、サプライズ感にあふれた一着に仕上がっていました。雰囲気的に初期の「アン・ドゥムルメステール」や「ドリス・ヴァン・ノッテン」などのアントワープ系デザイナーを彷彿させる印象。個性的な世界観と身に纏うことへのコンセプチュアルな姿勢が似ていたような気がします。しかし、危うさも感じずにはいられないのも事実。今回は“自分自身を表現する服”がテーマだったのでこの服で良かったですが、今後もし、イブニングドレスやスーツスタイルなどのさらなる技術を必要とするテーマがきたら? 彼女に立体裁断やトワルを組む技術があるのか、少々疑問でもあります。ユニークなデザインセンスがどこまで健闘するか、今後の彼女に要注目ですね。


それでは、今回の優勝者の作品を振り返ってみましょう。


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☆ 優勝したエミリオのドレスの注目ポイント


今回、フレッシュで若々しいドレスをつくりあげたエミリオ。生地を4つのパーツに分け、それを複雑に構成することで生地を編んだような美しい色柄を生みだしました。このドレスをモダンかつエレガントに見せたのは、その高い技術力とともにテキスタイルの影響もあったように思います。上品なパープルにダークレッドの生地、そしてほんのりオリエンタルな柄。これらがバランスよく調和し、単なるドレスに収まらないドラマティックな存在感を演出していました。



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☆ 極私的お気に入りルック


◆ ジェイのトップス+スカートルック


私が今回一番好きだったのは、ジェイのトップス+スカートの組み合わせ。写真で見るとよくわかるのですが色と素材使いがかなりおしゃれなんです。ビスチェの柔らかなシフォン素材に、スカートの厚みのあるツイード生地がモダンなコントラストを生み、ぐっと洗練された雰囲気を出していました。モスグリーンを基調にしたカラーリングも絶妙。渋さのなかにガーリーな可愛さがあって、幅広い年代が着こなせるはずです。さらに、スカートのセンターやサイド、バックにあしらったフリルのモチーフも最高にキュート。立体的なパーツを組み合わせて遊び心も加えた、抜群のバランス感覚に期待大ですね。

2011.10. 9|第7シーズン|コメント(0)トラックバック(0)

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2011.10. 5|第7シーズン|コメント(0)トラックバック(0)